チェルフィッチュ 岡田利規インタビュー
来る8月8日(土)より、『女優の魂』国内4か所ツアーを始めるチェルフィッチュ。2012年に初演、2013年には全国7都市ツアーが行われた本作が、2年ぶりに上演される。2011年には『三月の5日間』の100回目の公演も行われ、いまや熊本演劇のメッカのひとつと言っても過言ではないほど、さまざまなカンパニーが魅力を感じて使用している早川倉庫(熊本)での公演を皮切りに、チェルフィッチュ初となる佐賀・沖縄を経て東京を回る本作。原作・演出をつとめる岡田利規に、再演にあたっての意気込みや本作の魅力など、メールでのインタビューを行った。
—今回、熊本・東京に加え、チェルフィッチュ初となる佐賀・沖縄でも公演をされますが、まずは率直に、今回の『女優の魂』再演にあたっての意気込みをお願いします。
お客さんに出会いたいんです。この作品に限ったことではない、なんら特別なことではないのだけど、それがいちばん強い意気込みなんです。そして『女優の魂』はチェルフィッチュの作品の中では内容的にも一人芝居であるという意味でも軽くていろんなところに行きやすいものなので、この作品だからこそ出会える人たちというのがたくさんいると思うんです。
—熊本公演の会場となる早川倉庫は、チェルフィッチュが2011年に『三月の5日間』を上演して以来、急速に熊本演劇のメッカになった感がありますが、早川倉庫の魅力はどんなところですか?
色気がある建物ですよね。一発で好きになりました。僕らが『三月の5日間』をやってから、確かにたくさん演劇の公演が行われるようになったんですよね。それはすごく嬉しいことです。でも、当の僕たちがそれ以来公演をやれていないというのが悔しくて。なので、こうして四年ぶりに熊本公演ができることになったとき、早川倉庫以外の選択肢は考えられませんでした。
—岡田さんが考える、舞台版『女優の魂』が持つ魅力とは、どんなところですか?
わかりやすくてシンプルで強いところです。
チェルフィッチュ『女優の魂』舞台写真(©前澤秀登(Hideto Maezawa))
—岡田さんにとって、『女優の魂』唯一の出演者である「女優・佐々木幸子」とはどんな存在ですか?
彼女は骨の髄まで「女優」なんですよ。舞台に立つことへの欲望がほんとうに強い。だから信頼できます。任せられるんです。しかも、彼女の持ってるオーラというのがとにかくユニークです。希有な役者です。
いよいよ始まる『女優の魂』国内4か所ツアー。今回は一人芝居だからこそのフットワークの軽さを選び、観客との新たな出会いに期待しているという。またチェルフィッチュは『女優の魂』のツアーと並行して、8月に大分でも新作パフォーマンス『わたしは彼女に何もしてあげられない』を発表する。2005年に岸田戯曲賞を受賞して10年、いまなお先進的な作品を発表し続けるチェルフィッチュの、作品のバリエーションの多さに驚かされる。
岡田利規と、今回の『女優の魂』に出演する佐々木幸子のインタビューも現在公開されている。こちらも合わせてチェックしてほしい。
構成:執筆:藤本瑞樹(kitaya505)
チェルフィッチュ『女優の魂』
原作・演出:岡田利規
料金:一般2,000円(当日2,500円)
学生1,500円(当日2,500円)
高校生1,000円(当日2,500円)
※学生・高校生前売は要証要提示・枚数限定
※佐賀公演のみ別途ドリンクオーダー500円
【熊本公演】
日時:2015年8月8日(土)15:00/18:00
9日(日)15:00
※8月9日(日)12:00より、早川倉庫にて岡田利規トークイベントを開催
会場:早川倉庫(熊本市中央区万町2-4)
【佐賀公演】
日時:2015年8月19日(水)17:30☆/20:30
☆アフタートークイベント「女優・佐々木幸子のQ&Aコーナー」あり
会場:Pub & LiveSpace FRONTIER(佐賀市愛敬町4-8 紅屋館ビル3階)
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