史実と物語が交差する鹿児島の歴史劇
劇団上町クローズライン(鹿児島市)が、陽のあたらない英雄列伝番外篇『鹿児島異人館物語~小さな小さな友好革命~』(作:若松太郎、演出:宇都大作)を、3月21日(土)~3月22日(日)に鹿児島市山下町の鹿児島市中央公民館で上演する。
英国人紡績機械技師クロードは、慣れない異国の薩摩の地で近代技術を教えるべく奮闘していた。そこで出会った通訳藩士の堀壮一郎と作業奉行の羽島弘蔵。言葉の壁や考え方の違いを乗り越える中で生まれる友情と熱い想いと、開国が迫る日本の実情、そして薩摩藩の近代化への功績なども織り交ぜ、見ごたえたっぷりの物語となっている。
今回の公演は、2014年11月29日に旧鹿児島紡績所技師館、通称「異人館」で上演されたコラボ劇の再演。異人館とは、鹿児島紡績所の操業を指導するイギリス人技師7名の宿舎として、1867年に建設された木造洋風建築で、国の史跡及び重要文化財に指定され、現在は、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の構成資産として世界文化遺産登録を目指している建築物である。先のコラボ劇は、その異人館の活用法を探り、身近に感じてもらうイベントであった。
初演は異人館を利用しての公演だったため、多くの観客を入れることが出来ず、わずか30名限定の公演となった。しかし実際に技師たちが滞在した異人館を舞台にしたことや、英国人紡績機械技師と薩摩藩士の友情、また近代化が迫った日本における武士の想いや信念を描き出した作品が興味深く、ぜひ再演をとの声が高まり、今回更にパワーアップしての再演が実現した。
今回はより多くの方に観劇してもらうため、会場を異人館から中央公民館と変えたものの、異人館の雰囲気は残したまま、より趣向を凝らした演出となっているとのこと。また、新たな登場人物も加わり、内容も充実した拡大版としての再演であるという。
鹿児島市中央公民館から異人館までは車で5~10分の距離。観光バスも走っている。芝居を観た後に異人館を見学し、芝居の雰囲気に浸るもよし、異人館で予め紡績に関しての知識を入れた上で、観劇するのもより理解が深まっていいのではないだろうか。
出演は原田耕太郎、クロード・パスカル、下柳田洋平、パスカル鳳空、米森奈穂子、春田早希奈、齋藤久美子、米森翔太。
チケットは絶賛発売中。一般前売1,500円、学生前売1,000円、一般当日2,000円、学生当日1,200円。完全予約制となっている。予約はメールc-c-line@hotmail.co.jp、FAX099-222-5720、電話090-7984-0129(米森)まで。お問い合わせは090-9495-1937(春田)まで。
劇団上町クローズライン 陽のあたらない英雄列伝 番外篇
『鹿児島異人館物語~小さな小さな友好革命~』
作:若松太郎
演出:宇都大作
日時:2015年3月21日(土)15:00/19:00
22日(日)12:00/16:30
会場:鹿児島市中央公民館(鹿児島市山下町5番9号)
料金:一般前売1,500円 (当日2,000円)
学生前売1,000円 (当日1,200円)
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劇団上町クローズライン
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