フォルクテイル、平成生まれの座組で明日から『紙風船』を上演
フォルクテイル(諫早)が『紙風船』(作:岸田國士、演出:中野俊太郎)を9月29日(金)~30日(土)、諫早市八天町の諫早独楽劇場で上演する。
独楽劇場を盛り上げようと4月から始まった企画も今回で6回目。半年を迎えた。今回の公演の見どころなどについて、フォルクテイル座長で演出の中野俊太郎に話を聞いた。
―今回で半年を迎えた「独楽劇場のシアターバー」ですが、この企画の魅力はなんでしょうか?
「独楽劇場のシアターバー」というのは企画名で、毎月の上演作品は、主に自分とPAきむらが交代で担当して作・演出などをしています。今月は、僕が座長のフォルクテイルの公演ということになります。独楽劇場は普段から「駄菓子BAR」をやっています。僕はそのBARの店長でもあります。駄菓子を食べながらお酒飲みながらお芝居を楽しんでいただいて「へー!こんなところがあるんだ」と思っていただけらと。駄菓子食べ放題なので「観終わってからも駄菓子食べれるんなら、もう1杯飲んでいこうか」みたいなね。そこ狙ってます(笑)。公演後に飲んだり食べたりして夜遅くまで演者もお客様も一緒にみんなで過ごす時間も楽しいんですよ。
―今月は岸田國士の戯曲『紙風船』が上演作品となっています。どうしてこの作品を選んだのですか?
いま、岸田國士をやるひとってなかなかいないんですよね。『紙風船』は、なんかもう教科書的な。よくワークショップとか演技講座とか、それこそ僕が行ってた大学の演劇科の授業とかで使われるテキストレベルなんですよね。大学の授業で過去に1回触れたこともあったし。でも自分が授業で触ったのがもう何年前だろう。もう7年前になるので、いま改めて自分が読んでみても感じ方が違うだろうし、取り組んでみるのも面白いかなと。そして役者2人がハタチなんですけど。そのハタチの2人がこんな古い戯曲を読んだらどう思うんだろうって知りたくて、やってみようと思いました。
それから「オリジナルの台本じゃないとやる意味がない」って思っているひと結構いたりするのかなという印象があるんですけど、僕は本がかける人間でもないし、このひととこのひとが舞台立ったら面白いだろうなと思うところが出発点。だから台本は手段と言うか。あまりオリジナルでないとダメということは思っていないんです。
―今回の意気込みや見どころをお願いします。
役者2人ハタチ。僕もぎりぎり平成なので、平成生まれで昭和の戯曲をやるっていうところが見どころでしょうか。僕が授業で触れたり、やるにあたって調べちゃったりした部分はあるのですが、結構、台本の解釈は2人に任せてるところもあって。「あー、それもありか」みたいなことが面白いですね。それをなるべく生かしてやろうかなと思ってやってます。もしかしたら観にくるひとで、紙風船とか何回観たかわからないというひともいるかもしれないですけれど、また絶対違うものができてると思います。やりつくされた台本で見たことのない芝居ができるのが演劇だと思うので、ぜひ、みなさん観に来てください。
先日、稽古の様子を見ていたら、いきなり『紙風船』の台本に入るわけでなく、身体表現のワークやシェイクスピア戯曲を読んだり等など、ワークショップ的なことをやっていた。独楽劇場で、意外とそういうことをやったひとは初めてなんじゃないかなと思った。シェイクスピアとか岸田國士をやってみようとか。いわゆる古典。正統派というか。新鮮でオモシロイと感じた。旧かなづかいの台本に四苦八苦しながらも、ハタチのフレッシュな2人が古典に挑む姿はとても素敵に感じた。いつもと一味違うシアターバーにご期待ください。
出演は、田村隆、陣野美音。
チケットは、1,500円(1drink+駄菓子食べ放題つき)。
予約・お問い合わせは090-5920-4812(キムラ)まで。
執筆・インタビュー:寺井よしみ(諫早独楽劇場)
独楽劇場のシアターバー フォルクテイル『紙風船』
日時:2017年9月29日(金)20:30
30日(土)20:30
会場:諫早独楽劇場(諫早市八天町15-4 KGビル2F)
料金:1,500円(1drink+駄菓子食べ放題つき)
【関連サイト】
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