さらなる深化/進化を遂げた「彼の地Ⅱ」、まもなく開幕!
北九州芸術劇場プロデュース「彼の地Ⅱ~逢いたいひ、と。」(作・演出:桑原裕子(KAKUTA))が2月17日(土)〜25日(日)に北九州市小倉北区室町の北九州芸術劇場 小劇場で、3月2日(金)〜4日(日)に東京都豊島区東池袋のあうるすぽっとで、3月10日(土)〜11日(日)に愛知県豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペースで上演される。
大反響を呼び、北九州芸術劇場プロデュース公演シリーズ初の再演も行われた「彼の地」から2年。またもシリーズ初となる「Ⅱ」が上演される。作・演出を務めるのは、前作と同じく桑原裕子(KAKUTA)。
今回の「彼の地Ⅱ」では、俳優によるInstagramの更新のほか、稽古場からのlive配信も行われている。開幕を目前に控え、多様さを見せる広報展開の背景には何があるのか。北九州芸術劇場広報担当に話を聞いた。
ー今回、Instagramの更新が始まってびっくりしました。あと、今日(取材当日)は稽古場のlive配信もあるそうですね。
今回、観ていただく方にももっと作品を楽しんでいただくべく、キャストの中で「盛り上げ隊ひ、と。」というチームが結成されています。多才なメンバーが揃っていて、アイディアも豊富。色んな取り組みが彼らの提案、そして主導で動いています。
今回、出演者のほとんどが北九州外の地域から来ています。作品の舞台となる北九州のことを知りたいと、オフ日や稽古前の時間を利用してレンタカーなどで色んな場所を回り、それぞれのSNSで発信していました。そんな下地もあり、Instagramは始まりました。live配信も、動画配信に強いメンバーがいて、企画・進行・機材まで、完全にハンドリングしてくださってます。
キャストの皆さんの顔が見え、声が届き、しかも北九州の街の様子や稽古場の雰囲気も伝わる、そんな取り組みを通して観ていただく方に観劇の前からワクワク感を持っていただけると嬉しいです。Facebookでキャスト紹介もやってますので、そちらもぜひチェックしていただきたいです!
ー先ほど舞台美術もモニターで見ましたが、どこまで言っていいのかわかりませんが、おもしろいことになりそうですね。
そうですね。前作・今作とも「彼の地」という作品は「街を描くことは人を描くこと。人が動くことで街も動き変わっていく。」という着想から、外から来るひと、出て行こうとする人など、様々な想いを抱えた人たちが行き交い交錯する姿が描かれる群像劇なのですが、そういった人々の距離的な移動も心の動きも、見事に表した美術だと思います。前作の「彼の地」では2つのお盆のようなものに乗った台がぐるぐる回って場面が変わる舞台セットを、人力で(!)回していました。今回も、盆ではありませんが、「動きのある舞台美術」になっていて、キャストスタッフ皆で、広い北九州を巡るたくさんのシーンを組み上げています。
キャストの皆さんは、桑原さんが「『彼の地』は全員野球。それができるメンバー」と話されていた通り、先ほどのインスタやlive配信もそうですけど、全員で一丸となって意識的にいろいろなことに取り組んでいます。公演が近づくにつれて、団結力も高まっているように感じます。群像劇という作品の性格上、チームワークの良さが作品の質に直結すると思います。今回、期待していただいて間違いないと思います!
ー今回、プロデュース公演初の「Ⅱ」ということですが、「Ⅱ」だからこその特徴はありますか?
コンセプトは通底していますが、「Ⅰ」の続きではなくまったく新しい別のお話になっていますので、「Ⅰ」を観ていなくても楽しめる作品になっています。実は「Ⅰ」を観たからこそぐっとくるポイントもあり、これは「Ⅱ」ならでは、ですね。
今回、桑原さんが前作以上に北九州のことを知って、街の雰囲気や区ごとの違い、距離感なんかも実感としてお持ちで、それが作品に活かされているなぁと思います。
ーそれは「Ⅱ」だからこその変化という感じがしますね。
そうですね。
物語は、小倉から離れて暮らしていて訳あって久しぶりに帰ってきた女の子の話から始まります。彼女の周りで起こる、いろいろな境遇の人たちのいくつもの物語が交錯する群像劇なんですが、どの人物も愛おしく、周りの誰かや自分を重ねてしまう。桑原さんがツイッターで“北九州版「ラブ・アクチュアリー」と思ってる”と仰っていて、その通り! と膝を打ちました。
ーチケットも前売終了の回が出始めていますね。
アフタートークのある回、週末はお陰様で前売予定枚数を終了しました。平日夜は今はまだ残席あります。当日券は前売終了の回も若干枚数ですが販売します。ご希望の回がある方は、お早めにチケットをお買い求めください!
今回のインタビューでは、言葉の端々から「2作目だからこそできる作品の深化/進化」が感じられた。前作と比べるとグッと近くなった桑原裕子と北九州との距離感、より深まった北九州への愛着が、作品に反映されたものになりそうだ。今回のユニークな広報展開がキャストからのアイディアであること、舞台転換をはじめ裏方仕事にも積極的に取り組むことなど、「Ⅱ」にしてますますチームワークの良さと勢いを感じさせる「彼の地」。本作がつくりあげる新しい北九州の風景に期待したい。
出演は、浅野康之(劇団鹿殺し)、あべゆう(劇団こふく劇場)、岩本将治、大野朱美、岡田一博、置田浩紳、金子浩一、木内里美(The ちゃぶ台)、椎木樹人(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)、上瀧征宏、高野由紀子(演劇関係いすと校舎)、高山実花(モンブラン部)、寺田剛史(飛ぶ劇場)、黨清信、松井薫平、矢田未来(トレロカモミロ)、吉田紗也美、竜史(20歳の国)/多田香織(KAKUTA)。
チケットは各公演によって料金が異なる。
お問い合わせは北九州芸術劇場093-562-2655 (10:00~19:00)まで。
北九州芸術劇場プロデュース「彼の地Ⅱ~逢いたいひ、と。」
作・演出:桑原裕子(KAKUTA)
【北九州公演】
日時:2018年2月17日(土)14:30●
18日(日)14:30●
19日(月)19:00
20日(火)休演
21日(水)14:30●※
22日(木)19:00
23日(金)19:00
24日(土)14:30●
25日(日)13:30●
●前売終了(券売状況は劇場HPをご確認ください)
※アフタートークあり
会場:北九州芸術劇場 小劇場(北九州市小倉北区室町1-1-1-11 6F)
料金:一般前売3,000円(当日3,500円)
学生前売2,500円(当日3,000円)*小~大学生、要学生証提示
高校生〔的〕チケット 1,000円 *枚数限定、劇場窓口・前売のみ、要学生証提示
【東京公演】
日時:2018年3月2日(金)19:00
3日(土)14:30※
4日(日)13:30
※アフタートークあり
会場:あうるすぽっと(東京都豊島区東池袋4-5-2)
料金:一般前売3,000円(当日3,500円)
学生前売2,500円(当日3,000円)*小~大学生、要学生証提示
豊島区民割引2,800円(当日3,300円)*在住・在勤、前売のみ、要証明書提示
【豊橋公演】
日時:2018年3月10日(土)14:30※
11日(日)13:30
※アフタートークあり
会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース(豊橋市西小田原町123)
料金:一般3,000円
U24(24歳以下)1,500円
高校生以下1,000円
【関連サイト】
北九州芸術劇場「彼の地Ⅱ~逢いたいひ、と。」公演詳細ページ
「彼の地Ⅱ~逢いたいひ、と。」(Instagram)
「彼の地Ⅱ~逢いたいひ、と。」(Facebook)
桑原裕子(Twitter)
※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。