陰湿集団の卒業企画について、いんしつくんに直撃!
陰湿集団(福岡)が卒業企画「いんしつくんはだれだ?」を3月23日(土)~24日(日)、福岡市博多区上川端町のリノベーションミュージアム冷泉荘で行う。
卒業企画ってなんだ?
今年3月で大学を卒業するものが過半数となり、それを記念した企画。卒業おめでとう!
つまり何をするんだ?
「にせものつくり」をテーマに、団員が作品を作り、飾る展覧会です。どなたでも楽しめると思います!
これはアートなのか?
わからない、いんしつくんにきいてほしいです。
作品は買えるのか?
……あなたはにせものを欲しいですか?
ルールはあるのか?
会場にきて、確認してほしいです!
2015年3月、九州大学演劇部OBを中心に旗揚げ、以降福岡を拠点に北九州や熊本でも活動を行い、2018年の福岡学生演劇祭では演出賞を受賞するなど、精力的に活動する陰湿集団。新作は「卒業企画」と題した展覧会になるという。本作について、「自称」いんしつくんに直撃した。
ー陰湿集団は旗揚げからこの3月で4年とのことですが、どういった団体か教えてください。
我々陰湿集団は2015年3月に旗揚げし、4年が経ちました。結成初期は、演出が脚本を用意して公演をおこなっていました。創作、既作は特にこだわっていませんでした。それから「呼吸」をテーマにした作品をつくり始めます。特に2年後期から始まった『rule』と称した作品群が、これからの陰湿集団の活動の作品つくりの方向性を決めたと思っています。「4分の4拍子で息を吐き、次の4分の4拍子で息を吸う」「息を吐く時に体を動かすことができる」という2つのルールのもと、身体の動きや物語性を加えていった作品で、脚本や台詞がなくても演劇をつくることができる、ということを学びました。
この4年は、メンバーがひとりずつ増えていったり、減ったり、初期メンバーが大学を卒業して社会人として働き始めたり、大学院に進学し研究の道に進んだりと、メンバーの将来を決める時期と丸被りでした。旗揚げから3年で社会人として働くメンバーが増え、作・演出が代わり、作風が変わりました。そして、旗揚げから4年目となる今年、卒業を迎えるメンバーが3名おり、ついに社会人の数がメンバーの半数を超えます。長かった学生生活……。ついに正真正銘大人への仲間入りです。
ー「いんしつくんはだれだ?」とはどういった企画なのでしょうか?
陰湿集団にはマスコットキャラクターとして「いんしつくん」がいるのですが、特にマスコットキャラクター以外に情報はありませんでした。「団員の半数以上が学生を卒業するこの年に、いんしつくんについて深掘りしてみよう」というのが今回の企画の発端です。団員が思い思いに「にせものつくり」をテーマに作品をつくり、それを会場内で飾るというのが今回の企画です。
ーところで「いんしつくん」って誰なんですか?
陰湿集団では、作・演出と団体の責任を負う主宰が異なっていました。作・演出の担当は、「主宰でしょ? 陰湿集団ってこれからどうするの?」と聞かれると「主宰は別のひとだよ」と答えるのが常でした。
昨今の組織には、責任者の名前が必ず明記されています。が、実権を握っているのは名前が明記されていないひとではないかと考えています。組織を操っているのは、社長のような1人の人間ではなく、その組織内の人間が信じることによって作り上げた「実態のない人間」なのではないかと考えています。
「いんしつくんはだれだ?」という問いは、「陰湿集団を突き動かす人間はだれか」、あるいはその「率いた人間が率いるよう指示する人間はだれか」という、陰湿集団を活動する方向へ導いた「ナニカ」を個人へと移し替える問いでもあると思います。メンバー8人による作品群によって浮かび上がるこれまでの陰湿集団という団体、そしてその先にある誰かを目撃しにぜひ、ご来場ください。
ーmola!をチェックしている方々にメッセージをお願いします!
この日程は僕が知っているだけで、konya-galleryにてサンピリさまの『マッチ売りの少女』、そして北九州の枝光本町アイアンシアターでは、九州戯曲賞を受賞し、元団員でもある、木下智之さま率いる砂漠の黒ネコ企画の『Gogh Quartet』が上演されます。今この記事を読んでいるそこのあなたっ、ぜひ見に行きましょう! 福岡市でも指折りの劇団さまですので自信を持って言えます。陰湿集団はその日ずっと開いているので、空き時間にお願いします!!!
これから陰湿集団は、社会人表現団体として続けるのか。まだ残っている学生が引っ張るのか。そんな世知辛い話はあとにして、卒業を祝おうじゃないか! 今回の「いんしつくんはだれだ?」はそんな企画です。特にお祝いのような雰囲気は出ないと思いますが、心の中ではお祝いをしています。今年ご卒業の方、もしくはすでにご卒業された方、これから卒業される方、祝われにぜひきていただけると嬉しいです。
また、土曜日(23日)は団員の山本が岡山から戻ってきます。その日一回限りの劇をお披露目しようと考えていますので、よかったらぜひこちらもお楽しみにしていただけると嬉しいです。
参加者は、白居真知、山本貴久、丸尾行雅、谷口陽菜実、長野真結、石川悠眞、武田遥、馬場修平ほか。
料金は無料。
お問い合わせは陰湿集団insitusyudan@gmail.comまで。
陰湿集団 卒業企画「いんしつくんはだれだ?」
日時:2019年3月23日(土)11:00〜20:00
24日(日)11:00〜19:00
会場:リノベーションミュージアム冷泉荘(福岡市博多区上川端町9-35)
料金:無料
【関連サイト】
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※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。