HallBrothersが「半径50メートル」を描く新作
劇団HallBrothers(福岡)が20周年記念公演ラッシュ②春『半径50メートル』(作・演出:幸田真洋)を4月19日(金)~23日(火)、福岡市博多区祇園のぽんプラザホールで上演する。
何もない町。
葉子が住む片田舎は、賑やかなショッピングモールもおしゃれなカフェも何もない。
そんな町の工場で働く葉子。
決まった時間に働き、帰る。帰宅ルートはいつも一緒。同じような毎日が流れていく。
そんな時、遠くの町から新しい派遣さんがやって来た。
彼らが「ホント何もない」と呟くのはいつものこと。そんなことには慣れているはずだった……のに。
「あんたの人生、半径50メートルで完結してんじゃん」
派遣さんの一言に葉子の胸はざわついた。
狭く、退屈な自分の人生なんて何の価値もないんだろうか……
葉子は人生を変えようと模索するが―
福岡を拠点に活動する劇団HallBrothers。20周年公演企画第二弾は、片田舎の狭い世界で生きる人々の退屈さや虚無感、葛藤を描いた作品を上演。タイトルは、戯曲の審査等で、戯曲の内容が自分だけの狭い世界でしか描けていないという意味で用いられる「半径50メートルの世界しか描いていない」という言葉から想を得たという。劇団HallBrothers代表で、作・演出を担当する幸田真洋に、作品について聞いた。
ー作品のタイトルは、幸田さんがかつて指摘された言葉とのことですが。
僕自身も「きみは半径50メートルの世界しか描いていない」と講評されたことがあります。確かに作家たるもの、小さなことばかり描いていてはダメだと思います。人々が気付かない、日々の生活で見失っているものは大きな視点で描けてこそナンボだろうと。しかし、残念ながら僕にはそんな才能はありませんし、そもそも小さな世界にしか興味がありません。普通の人の、とるに足らない日常が愛おしいと思いますし、そういう世界を描きたいと思っています。
ー作品の内容や見どころを教えてください。
現代というのは目に見えて派手なものや注目されるものに価値が置かれているように感じます。SNSなどでもこぞっていいねを集めようとしますし、いいねが集まっているものが価値がある。では、何にも注目されないものに価値がないのかと言うとそんなことはないし、注目を集めることに価値があるわけでもない。地方の平凡な町を舞台に、そんなことを描いていきたいと思っています。目立つところも、何の取り柄もなく、町や人生に価値を感じられないでいる人々が、小さくても誇りを感じられるようになるお話です。
ーmola!をチェックしている方へメッセージをお願いします。
今回の作品は2009年上演の『青い体温』という作品を改題・大改訂した作品です。当時の出演者は一人しかいませんし、男女比も大きく違うので、舞台設定だけはそのままにほとんど別の話になっているんですが、とはいえ、全くのゼロから作り上げるのと、基礎があって新たに作り直していくのではできあがりが違います。そういう意味では10年を経てのブラッシュアップなので品質は保証できるかと自負しています。ぜひ、ご来場ください。お待ちしています!
出演は、萩原あや、永倉亜沙美、唐島経祐、下田夏希、木村晴香、関口祐香、西田えりか、幸田真洋。
チケットは、前売1,800円(当日2,000円)。劇団HP、ローソンチケット(Lコード:83079)での取り扱い。
お問い合わせは劇団HallBrothers seisaku@h-bros.net、090-8410-4267(ハギワラ)まで。
劇団HallBrothers 20周年記念公演ラッシュ②春『半径50メートル』
作・演出:幸田真洋
日時:2019年4月19日(金)19:30
20日(土)14:00/19:00
21日(日)14:00
22日(月)19:30
23日(火)19:30
※21(日)は託児サービスあり(要予約)
会場:ぽんプラザホール(福岡市博多区祇園8-3)
料金:前売1,800円(当日2,000円)
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