短歌から着想した4つのストーリー、映画『ひかりの歌』が宮崎で特別上映
杉田協士監督の最新作『ひかりの歌』が現在、宮崎市橘通東の宮崎キネマ館で特別上映されている。公開初日の4月13日(土)には舞台挨拶が行われ、杉田監督と、本作に出演した宮崎出身の俳優・日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣/東京)が登場した。
都内近郊に住む詩織、今日子、雪子、幸子。それぞれ、旅に出るためバイト先を辞めていく同僚、閉店間近のガソリンスタンドで共に働くバイト仲間、他界した父親、長年行方知れずの夫への思いを抱えながら、日々を生きている。やがて、彼女たちの「日常」に起こる「変化」が、ぬぐえない「孤独」にくるまれた心を優しく揺らしていくー。
東京国際映画祭などでも上映された『ひとつの歌』などで高い評価を得ている杉田協士監督の最新作『ひかりの歌』。本作は、前作『ひとつの歌』に出演を依頼したことがきっかけで親交を結んだ歌人・枡野浩一の協力を得て「光の短歌コンテスト」を企画、応募のあった1200首の中から選出された4首をもとに製作された。4章のオムニバス形式で、4人の女性が日常を生きる中で抱えるひそやかな「孤独」を繊細にすくい上げている。宮崎キネマ館での特別上映は4月26日まで。
公開初日の舞台挨拶では、杉田監督と、第2章で主人公の今日子に思いを寄せるシンガーソングライター・章太郎役を演じた日髙啓介が登場。日髙が劇中で今日子に聞かせた歌を生演奏したほか、来場者からは各章の主人公たちへの思いや、さまざまなシーンに込められた監督の意図などを問う質問などが盛んに飛び交い、会場はアットホームな雰囲気に包まれた。
「4つの章はどれも素敵な物語だが、別々のようでいて、それぞれをつなぐ隠されたドラマがある。ぜひその点にも注目して観てほしい」と日髙が語ると、杉田監督は「物語のもとになった短歌は、日々のありふれた光景を詠んだ歌ばかりだが、そのワンシーンを切り取った作者の視点や心の動き、その裏にあるだろうストーリーに目を向けた。観る人にとっても、忘れていた大事なものを思い出すきっかけになってもらえたら」と話した。
上映時間は、19日までが13:30から。20・24・26日はレイトショーのみで20:10から。
出演は、北村美岬、伊藤茄那、笠島智、並木愛枝、日髙啓介ほか。
お問い合わせは宮崎キネマ館0985-28-1162まで。
『ひかりの歌』
監督:杉田協士
日程:2019年4月13日(土)〜26日(金)
会場:宮崎キネマ館(宮崎市橘通東3-1-11 アゲインビル2F)
【関連サイト】
『ひかりの歌』公式サイト
※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。