佐藤信が福岡アジア文化賞芸術・文化賞を受賞、来福してフォーラムも
座・高円寺(東京)芸術監督、若葉町ウォーフ(横浜)代表理事などを務める劇作家・演出家の佐藤信が、2019年(第30回)福岡アジア文化賞の芸術・文化賞を受賞することとなった。
佐藤信は、1966年俳優座付属俳優養成所修了後、アンダーグラウンド・シアター自由劇場を結成。1968年には演劇センター68(現・劇団黒テント)に参加、1970年から大型テントによる全国移動上演を開始し、90年までに全国120都市を巡回した。自作品の演出以外にも、オペラ、日本舞踊から人形芝居まで、多彩な分野の演出でも活躍し、劇作家・演出家としての名声を確立した。
佐藤は1980年、フィリピン教育演劇協会(PETA)主催の国際ワークショップに参加して以来、アジアへの関心を深め、アジアとの交流を開始。同世代を代表するアジア各国の演劇人と親密な共働関係を築くかたわら、日本におけるアジアの現代演劇紹介やアジアとの国際共同制作にも力を注いできた。
一方で、劇場空間と制作現場の最前線を知る実務家として、公共劇場の開設・運営にも長年携わり、世田谷パブリックシアター初代劇場監督(1997年〜2002年)、座・高円寺(杉並区立杉並芸術会館)初代芸術監督(2009年〜)などを歴任。「人びとが集まる場所としての劇場」というイメージの具現化に尽力し、公共劇場の新しい活動領域の開拓者としても高い評価を得てきた。また、2017年には、私財を投じて横浜市に私設のアートセンター「若葉町ウォーフ」を開場、日本を含むアジアの若手演劇人の交流と創作拠点として活動を展開している。これらの多大な功績によって、このたび福岡アジア文化賞芸術・文化賞を受賞することとなった。
9月10日(火)には福岡市博多区石城町の福岡国際会議場 3F メインホールで授賞式が行われる。また、9月12日(木)には「アジア、演劇、そして人びと:〈出会い〉を組織する」と題した市民フォーラムも行われ、佐藤のほか、パネリストに高橋宏幸氏(演劇評論家、桐朋学園芸術短期大学専任講師)、対談者に渡辺えり(劇作家、演出家、女優、日本劇作家協会会長)、コーディネーターに内野儀(学習院女子大学日本文化学科教授、東京大学名誉教授)を迎え、佐藤の仕事を振り返るとともに、日本の現代演劇の未来やアジアとの国際交流について対談を行う。
授賞式・市民フォーラムには事前申し込みを行うことで無料で参加できる。申し込み受付期間は8月23日(金)まで。
申し込みは福岡アジア文化賞公式サイトの申込フォームから。
お問い合わせは福岡アジア文化賞公式行事受付係(0800-888-9530・通話無料)まで。
2019年(第30回)福岡アジア文化賞授賞式
日時:2019年9月10日(火)18:30~20:00
会場:福岡国際会議場 3F メインホール(福岡市博多区石城町2-1)
市民フォーラム「アジア、演劇、そして人びと:〈出会い〉を組織する」
日時:2019年9月12日(木)19:00~21:00
会場:アクロス福岡 B2F イベントホール(福岡市中央区天神1-1-1)
【関連サイト】
福岡アジア文化賞 イベントページ
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