灯台とスプーンが諫早で新作公演、ライブ配信も
灯台とスプーン(福岡)が『あめふりヶ丘夜想曲』(作・演出:田村さえ)を10月24日(土)~25日(日)、諫早市八天町の諫早独楽劇場で上演する。
あめふりヶ丘と呼ばれる高台の住宅地にかつてピアノ教室を営んでいた高見家の実家がある。その日は長女の結婚をきっかけに、離れて暮らしていた四姉妹全員が揃っていた。しかし、昼過ぎから降り始めた雨は次第に強まり、テレビでは十六年ぶりの豪雨災害になる可能性を報じている。この丘に降った雨はいつも、丘の下の街に向かって流れていく。
家の中にとり残された姉妹たちの会話劇。
作・演出の田村さえからコメントが届いた。
ご無沙汰しております。灯台とスプーンの田村さえです。
このような時期ですが、独楽劇場さんで公演をさせていただけることになりました。
初めての長崎・諫早での長編作品上演です。さらにコロナ対策の意味もあり、はじめて客演さんを呼ばずに、灯台とスプーンの灯台守たち(「メンバー」を最近はそう呼んでいます。恥ずかしいのだろう、誰も言ってくれないですが…)だけで作った90分ほどのお話になる予定です。楽しみにしていた諫早公演ですが、8月の下旬には「中止にするか、進めるか」劇団の中で話し合いを行っていました。独楽劇場に合わせて、諫早でいま届けたい作品をつくろうと言って創作をしていましたが、個人的にもたくさんの企画がつぶれていき、まだまだコロナの目処が立たず「灯台とスプーンの予定が中止になるのは相当堪えるな…」と、中止の可能性を想像するたび、とても辛かったです。
独楽劇場の寺井さんと実施するかどうかを決める際の会議をしたとき「個人的には、観たいです」という言葉をもらいました。その頃、本当にくじけすぎていて「この世に私がつくる作品を待っているひとなんていないんだから待たれていないことを諦めて時期が来るまで力をためていた方がいい、つまり、とにかく書くしかない」なんてことを呪文のように自分に言い聞かせていました。だから、それを聞いたとき本当に驚きで、「えっ!これは、待ってくれているのか!」と。
かなり中止の方向に傾きかけていましたが、話し合いを重ねた結果「誰か一人でも不安になったら立ち止まれるようにしよう」という決め事を行い、諫早に行くことを決めました。今までもそれなりに高いハードルだった「演劇をつくって上演する」ことが、より大変になっていると思います。積み上げたものが急にうばわれ、誰が悪いわけでもなくて、困ったねとか残念だねと言うしかないことが、今年確かに起こりました。
そんなことでうじうじしてどうするのとか、いつまでいってるんだ先に進めよとか、もちろん、そういう言葉が人を前に進めるきっかけにもなるけど、そういう「うじうじ」をしながら、ひとつずつ一日ずつやっていくしかすべがないんだなとも思います。「あめふりヶ丘夜想曲」は、そういう「うじうじ」の結果つくられた作品です。
若草物語の映画を観て「四姉妹の劇を作ろう」と思ったところからはじまりました。いろいろな制約がある中、私たちが今できる方法で灯台とスプーンらしい、でもどこか新鮮と言うか、ちょっと新しいことに挑戦している、そんな作品になっています。特筆すべき点としては、一昨年から活動休止していた安藤美由紀が久しぶりに出演します!また、今年の三月(緊急事態宣言になるぎりぎり直前に)新団員・後藤百合香が仲間入りしました。彼女にとって、初めての演劇出演です。
本当は生で観て欲しい(常に、生で見るために作っているので)作品ですが、ご来場できない方もぜひ配信を見ていただけたら!と思います。
出演は、安藤美由紀、後藤百合香、田村さえ、柳田詩織。
チケットは2,000円(駄菓子お土産付)。予約フォームでの取り扱い。また、25日(日)16時の回はYouTube【公式】コマゲキジョウチャンネルでライブ配信も行われる(11/8までアーカイブ視聴可能)。こちらは無料配信だが、投げ銭代わりの駄菓子購入を呼びかけている。
お問い合わせは、nk3dreampro2007@yahoo.co.jp、090-2079-9093(寺井)まで。
独楽劇場のシアターバー
灯台とスプーン『あめふりヶ丘夜想曲』
作・演出:田村さえ
日時:2020年10月24日(土)18:00
25日(日)13:00/16:00★
★ライブ配信あり
会場:諫早独楽劇場(諫早市八天町15-4 KGビル2F)
料金:2,000円(駄菓子お土産付)
※情報は変わる場合がございます。正式な情報は公式サイトでご確認ください。