谺して山ほととぎすほしいまま

2015.04.13

劇団青春座(北九州)が224回公演『久女の恋』(作:橋本和子・演出:井生定巳)を、5月23日(土)~24日(日)に北九州市小倉北区室町の北九州芸術劇場 中劇場で上演する。

劇団青春座 創立70周年記念224回公演『久女の恋』チラシ

『久女の恋』は、杉田久女の26歳から51歳ごろまでを描いた作品。杉田久女は明治23年鹿児島に生まれ、官吏の父の転勤に伴い、沖縄、台湾へ転居。明治40年、女子高等師範学校(現お茶の水女子大学)付属高等女学校を卒業。明治42年、19歳で、小倉中学校(現小倉高校)の図画教諭を務める杉田宇内と結婚、小倉に移住した。

大正5年秋に、次兄の赤堀月蟾(げっせん)から俳句の手ほどきを受ける。大正6年5月に高浜虚子に初めて会い、大正7年「ホトトギス」四月号「雑詠」に初入選。才能を発揮すればするほど家庭不和に悩み、教会活動を熱心に行い、しばらく俳句から離れるが、昭和2年、再び俳句への道へ戻る。昭和6年「日本新名勝俳句」で「谺して山ほととぎすほしいまま」が帝国風景院賞を受賞。昭和7年に俳誌「花衣」を創刊、この年10月に「ホトトギス」同人となるも、昭和11年10月「ホトトギス」同人を除名された。昭和21年1月21日、大宰府の筑紫保養院で逝去。生前句集発行を熱望していたがかなわず、昭和27年、長女石昌子により、高浜虚子序文の「杉田久女句集」が刊行された。

女性が生きにくかった時代に、俳句の中に生きがいを見つけ、そして挫折し、狂気の中に身を置く久女。今回の作品では、女性の自立や夫婦の和解など、今の時代にも通じる問題も描き出している。

杉田久女役の吉嶺薫は「久女のことはずっと以前から興味があって、俳句も好きで生き様にもすごく共感していたので、今回久女を演じることになってすごく嬉しかったんです。久女は色んな誤解をされているんですが、今回の脚本では知られざる久女ということで、本当のことを深く追及しています。本当の久女を表現できることがとても嬉しいです。今回、久女が俳句を作っているようなシーンはないんですが、だからこそ久女の俳句に対する情熱をどう表すか、狂うほど俳句にのめり込んだ久女をどう描くかに気を付けて練習をしています」と、久女を演じることの出来る喜びを語ってくれた。

出演は、吉嶺薫、金子茂、早川二未、馬淵理麻、平田伸介、橋本美澄里、井上智之、久野晴美、加藤和之、井生結菜、瓜生紀美子、濱田成恵、古田美佐代、井田すみえ、白水美津江、上西昭南、松田日奈加、小川さち子、藤竹喜美子、河居苓子、木暮順子、熊抱一彦、木村雅敏、大井慎也、佐藤鈴子、山崎達、中村重幸、岡部八郎。また、英流「幸の会」が盆踊りのシーンに特別出演する。

チケットは北九州芸術劇場プレイガイド、ローソンチケット、チケットぴあ、小倉井筒屋プレイガイド、劇団青春座にてお取扱い中。お問い合わせは093-922-4995(劇団青春座)まで。


劇団青春座 創立70周年記念224回公演『久女の恋』

作:橋本和子
演出:井生定巳
日時:2015年5月23日(土)18:30
        24日(日)13:30
会場:北九州芸術劇場 中劇場(北九州市小倉北区室町1丁目1-1-11リバーウォーク北九州6F)
料金:一般前売3,000円(当日3,500円)
   学生前売2,000円(当日2,500円)
   ※親子室有り(無料・要予約・2組)

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※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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