ハイバイの代表作、佐世保で上演
ハイバイ(東京)が平成27年度公共ホール演劇ネットワーク事業として『ヒッキー・カンクーントルネード』(作・演出:岩井秀人)を8月22日(土)~23日(日)、佐世保市三浦町のアルカスSASEBOイベントホールで上演する。
今年度の公共ホール演劇ネットワーク事業で上演されるのは、東京の人気劇団「ハイバイ」の代表作『ヒッキー・カンクーントルネード』。この作品の魅力を、作・演出の岩井秀人に聞いた。
―『ヒッキー・カンクーントルネード』岩井さんの処女作ですが、ご自身の体験が元になっているんですよね?
はい。僕は16~20歳の時に引きこもっていたんですけど、その間に何をしていたかっていうと、母親が契約したWOWOWで格闘技とサッカーと映画を見ていたんですよね(笑)。でも、その3つがきっかけで家を出た。格闘技の真似をするために夜の公園に出かけて木を蹴ったり、サッカーやりたくなって友達に連絡したり。芝居の世界にいるのも、なんの経験もないのに映画で身を立てようって思ったからですし。
―引きこもりというテーマを、おかしな話として描こうと思ったのはなぜですか?
うーん、……人って、大なり小なり閉じている部分があると思うんです。それが家や部屋であれば引きこもりになるし、辛いことや悲しいことがあって心を閉じている人もいる。そういう「閉じている人」にとって、外に出て他人と関わることが本当にいいことなのか。そもそも、人はなぜ外に出た方がいいのか。こうしたことを身近なこととして考えてほしかった。それが大きいですね。
―佐世保に来るのは初めてですか?
そうなんですよ。福岡へ行ったことはあったんですけど。佐世保のイメージですか? 基地と村上龍ですかね。……実は僕、九州に親近感があって。僕がゲラゲラ笑いながら書いた戯曲、おんなじところで反応があるんですよね。「あー、こういう人いるいる」みたいな。東京だと引かれちゃうのに、多分、僕の感覚が九州人に近いんでしょうね。なので、佐世保の皆さんの反応が楽しみです。
―最後にメッセージをお願いします。
この作品は再演を重ね、いろんな地域の方に見て頂く中で、洗練され、力強く育った作品だと思っています。ただ、こむずかしい作品じゃないですし、敷居も全然高くないです。むしろ、普段、芝居や芸術に興味ない人、身近に引きこもりがいる方、もちろんヒッキー本人にも見てもらい、一緒に笑って、考えてほしいなぁと思っています。
プロレスラーを夢見ているが自宅からは一切出られない引きこもり(ヒッキー)の登美男。妹、母、カウンセラーたちが、登美男を家から外へ出すべく、様々な 策を練る。果たして登美男は外に出られるのか。そしてなぜ人は「外」に出た方が良いのか……。岩井秀人の16~20歳までのひきこもり体験をもとに描い た、劇団最大の人気作として初演以降9回もの再演を重ねた秀作。
出演は、田村健太郎、岡田瑞葉、後藤剛範、平原テツ、チャン・リーメイ。
チケットは一般3,000円、U-25(25歳以下)2,000円。アルカスSASEBOチケットカウンター、ローソンチケット(Lコード:84045)、チケットぴあ(Pコード:442-538)ほかでの取り扱い。お問い合わせは0956-42-1111(アルカスSASEBO)まで。
平成27年度公共ホール演劇ネットワーク事業
ハイバイ『ヒッキー・カンクーントルネード』
作・演出:岩井秀人
日時:平成27年8月22日(土)18:00 ※アフタートーク開催
23日(日)14:00
会場:アルカスSASEBOイベントホール(長崎県佐世保市三浦町2-3)
料金:一般3,000円
U‐25(25歳以下)2,000円
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