ブルーエゴナクが京都で公演
ブルーエゴナク(北九州)が第九回公演『AGAIN/やりなおし』(作・演出:穴迫信一)を12月25日(金)~27日(日)、京都市左京区下鴨塚本町のアトリエ劇研で上演する。
出演者の本作に賭ける意気込みが届いた。
高野桂子
最初に台本を受け取った時の印象は、『AGAIN/やりなおし』というタイトルと裏腹にやり直しの利かない陰鬱な空気を感じました。私としてはこれまでのブルーエゴナク作品でもタイトルのイメージと作品が違うように感じることは多々あり、私はその言葉のイメージと作品の空気感が開いていた方が想像する余地がたくさんあって好きだったりするので、お、今回はそういうパターンか? という心持ちで稽古に臨みました。ですが、実際に口にしてみると陰鬱に感じていた言葉が滑稽に聞こえてきたのがとても鮮烈でした。登場人物の主観になってこの物語をみるととても息苦しい気持ちになるのですがそれを客観的に見てみるとなんだか小さいことにあくせくしている姿が滑稽に見えたり可愛らしく見えるものなんですね。作・演出の穴迫くんはその悲劇と喜劇のバランス感覚がとてもいいなと思います。登場人物はすごく思い悩んでるのに、どこか面白い、けれどその人物の心の弱さは観ている方にも心当たりがあって、安心して笑えない。人によっては胸を締め付けられる気持ちになる人もいるかもしれません。今回、京都での初めての本公演ということで、この笑えば笑うほどちくちく胸を刺されるような感覚を京都の皆さんにぜひとも体験していただきたいなと思います。ちくちくしにいくぜ京都!
田島宏人
今回メンバーで唯一のエゴナク初参加となります、演劇ユニットそめごころからやってまいりました、田島宏人です。ブルーエゴナクは初めて観た『サヴァリーナトロメイド』の頃から大ファンでした。『サヴァリーナトロメイド』のラストシーンを観た瞬間に、僕は席から立ち上がって「おい! 今のラストを観たか! 言語化不可能な何かとてつもない奇跡が起こったぞ! 何みんな呑気に座ってるんだ!」と叫びたくなるくらいの感動を覚えました。それ以降に観た作品もどれも愛しい作品ばかりで、憧れすらありました。エゴナクのお芝居は、忘れかけていた罪悪感や羞恥心を観客自身の中から引っ張り出し、目の前で強制的に追体験させるようなお芝居です。もはやそれは拷問と言ってもいい。でもね、登場人物たちがみんな一生懸命に生きているんです。なんとかして理解し合おうと、自分の存在を認めてもらおうと、必死に必死にもがき苦しんで生きているんです。その姿はあまりにも滑稽で無様でありながら、同時に美しくかっこいいんです。そんな登場人物を観た我々観客は、彼らを深く愛し、過去の自分を許し、明日を生きる活力をもらうことになります。僕と同じようにエゴナクを愛している人、そしてこれから愛すことになる人たちのために、僕のすべてを捧げて、最高のメンバーと一緒に最高のお芝居を作ると心に決めました。『AGAIN/やりなおし』お楽しみに。
昨年は、劇団設立3年目にして王子小劇場で初の東京公演を敢行するなど、成長著しいブルーエゴナク。本作はアトリエ劇研の創造サポートカンパニーとしての公演となる。今年度より“リスタート”というテーマを掲げているブルーエゴナク。新たなるスタートを切り、さらなる羽ばたきのきっかけとなるか。
出演は、高山実花(モンブラン部)、高野桂子、田島宏人(演劇ユニットそめごころ)、脇内圭介(飛ぶ劇場)、平嶋恵璃香、穴迫信一。また、アフタートークのゲストとして、25日(金)19:00あごうさとし(アトリエ劇研ディレクター)、26日(土)15:00大原渉平(劇団しようよ)/19:00本間広大(ドキドキぼーいず)、27日(日)11:00合田団地(努力クラブ)/15:00出演者全員が参加する。
チケットは一般2,500円(当日3,000円)、U-23前売2,000円(当日2,500円)、高校生以下1,000円(前売当日共通)。チケットぴあ(Pコード:446-836)、カルテットオンラインでの取り扱い。お問い合わせはブルーエゴナク制作部egonaku@gmail.com、090-2694-4696まで。
ブルーエゴナク 第九回公演『AGAIN/やりなおし』
作・演出:穴迫信一
日時:2015年12月25日(金)19:00
26日(土)15:00/19:00
27日(日)11:00/15:00
会場:アトリエ劇研(京都市左京区下鴨塚本町1)
料金:一般2,500円(当日3,000円)
U-23 2,000円(当日2,500円)
高校生以下1,000円
【関連サイト】
ブルーエゴナク『AGAIN/やりなおし』特設ページ
※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。