まもなく東京に殴り込み!そめごころ3年目の挑戦
『反復する、イクツカノ時間と、交わる、イクツモノ時間の中で、僕等にできる、イクツカノこと。』(作・演出:石田聖也)で急遽東京公演を決めた、演劇ユニットそめごころ(福岡)。来る2月13日(土)~14日(日)に東京都北区王子の王子小劇場で、旗揚げ3年目にして初の東京公演を行う。そんなそめごころが去る1月28日(木)、福岡市内某所で通し稽古を行った。この通し稽古のために、王子小劇場の芸術監督である北川大輔が来福。「mola!」編集者も同席して、稽古の様子を覗いた。
通し稽古を終えて、演劇ユニットそめごころ主催の君島史哉と、王子小劇場芸術監督の北川大輔にそれぞれコメントをもらった。
君島史哉(演劇ユニットそめごころ)
mola!をご覧のみなさまこんにちは! そめごころ主宰の君島です。初めは愛媛→福岡での2都市公演だったのですが、急遽、東京を挟んでの愛媛→東京→福岡の3都市ツアー公演となりました。旗揚げ3年目にして頂いた大きなチャンス、不安はありますが、自信がないわけではありません。本当に多くの方々に支えられて、助けて頂いて、何とかここまで来れました。今の僕たちの実力がどれほどのものか。また、僕たちがこれから目指すべきものを見定めるために全力で臨ませて頂きます。
北川大輔(王子小劇場芸術監督)
職業柄、これはなんだ、あれはなんだ、ということを詳らかにすることに執心している。劇場でかかった演目を、観た職員が見終わった後に批評する機会がある。なんかよかった、をうちの劇場では何故良かったか、まで検討する。同じように、なんか嫌だった、は、なぜ嫌だったのか、まで細分化する。劇場で賞を出していることも関係しているのかもしれない。演劇をそうやって見ることに随分と疑いがなくなってしまった。そんな中、この劇に出会った。複数のレイヤーが交錯し、何回もミスリードが繰り返される。ほのかにとらえたはずの筋は、すぐに舌を出して遠くに行ってしまう。演出の石田氏の掌上で踊らされ、通し稽古を見始めてまもなく、私はもらっていた台本を閉じた。劇を見ていると、数年に一度、こういう「ただ跡に残るものだけが確か」な芝居に出会う。と書くと、上演が面白くなかったかのように思われるかもしれないが、決してそういうわけではない。揺さぶられた後、彼らの宣言だけを手にして劇場を後にする。それはとてもシンプルで、そして劇を作る人間の誰しもが持ちうる宣言だとも思っている。地域で(というととても失礼だが)、こういう演劇の真ん中を射抜く作品に出会えたことにとても幸せを感じている。できらば東京の客席に届けたく、制作上の無理は承知で招聘した。是非沢山の観客にご照覧いただきたい。
本作は実験性にあふれており、万人受けする作風ではないかもしれない。近年の福岡小劇場界では一線を画す位置にあるといってよいだろう。しかし、その作風は社会や時代、演劇への投げかけが多分に含まれている。そういった作品が東京でどのような評価を得られるか、楽しみにしたい。
本作は東京公演を終えたのち、3月末から福岡でも上演される。
予約・お問い合わせはsomegokoro@gmail.comまで。
演劇ユニットそめごころ 第五回本公演
『反復する、イクツカノ時間と、交わる、イクツモノ時間の中で、僕等にできる、イクツカノこと。』
作・演出:石田聖也
【東京公演】
日時:2016年2月13日(土)15:00/17:00/19:00
14日(日)11:00/13:00/15:00
会場:王子小劇場(東京都北区王子1-14-4 B1F)
料金:前売2,000円(当日2,300円)
ペア3,500円(当日4,000円)
U-25 1,500円(当日1,800円)
高校生500円(当日800円)
【福岡公演】
日時:2016年3月31日(木)15:00/17:00/19:00
4月1日(金)15:00/17:00/19:00
2日(土)15:00/17:00/19:00
3日(日)15:00/17:00/19:00
会場:ぽんプラザホール(福岡市博多区祇園町8-3)
料金:前売1,500円(当日2,000円)
ペア2,700円
U-25 1,300円
【関連サイト】
演劇ユニットそめごころ
王子小劇場
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