第16回AAF戯曲賞募集中
愛知県芸術劇場(愛知)が第16回AAF戯曲賞募集を7月31日(日)まで募集している。
2000年にスタートし、今年で第16回目となるAAF戯曲賞。昨年15周年を機に大幅なコンセプトリニューアルを行った。AAF戯曲賞を担当する愛知県芸術劇場の山本麦子に、この戯曲賞の特徴やリニューアルの具体的な内容について話を聞いた。
―AAF戯曲賞の特徴をお聞かせください。
AAF戯曲賞は上演を前提とした戯曲賞で、大賞受賞作は翌年、愛知県芸術劇場小ホールで上演を行うという点が特徴です。賞金は大賞50万円、特別賞10万円(各1作)、大賞受賞作は記念冊子の出版も行います。また、全国からご応募いただけて既発表・既上演戯曲でも応募でき、書式・枚数等すべて自由という点、審査員が全ての作品を読むという点も大きな特徴だと思っています。
―AAF戯曲賞は昨年度よりリニューアルを行いましたが、具体的にどのようなリニューアルを行ったのでしょうか?
15周年を迎えるにあたって「戯曲とは何か?」という原点をもう一度見つめ直しました。瞬間芸術と呼ばれる演劇で、戯曲は唯一「残る」ものです。100年前の戯曲が残っていて今上演できるように、今書かれた戯曲を100年後に上演されるために残す、そのための戯曲賞を目指したい。この趣旨に賛同して下さった4名(編集註:篠田千明・鳴海康平・羊屋白玉・三浦基の4名)に審査員をお願いしました。審査員もすべての可能性を見落としたくない、と全作品を読んで下さっています。戯曲を切り口に、演出、上演、演劇、劇場……さまざまなものが見えてくるのでは、と考えています。
また、「戯曲賞=作家のための賞」というだけでなく、もっと多くの方に戯曲や演劇の面白さに触れていただきたい、と「リーディングカフェ」(戯曲を気軽に声を出して読んでみる場)や「いまさら聞けないギキョク講座」など、戯曲って難しそう……? と思っていらっしゃる方にも楽しんでいただけるような開かれた企画もスタートしました。受賞作品が高校の演劇部で上演される機会も増えてきています。戯曲賞を通して、作家と演出家、作品と観客等、色々な方にとっての出会いと挑戦の場にしたいと思っています。
―九州の劇作家にメッセージなどあれば、是非!
毎年九州からもご応募いただき光栄に思っております。今年も皆様からのご応募お待ちしております! 公開審査会は12月11日(日)、Webでの生中継も行いますので審査の議論もお楽しみに!! また、第15回(昨年度)の受賞作『みちゆき』は、9月9日(金)~12日(月)に審査員でもある三浦基の演出により、愛知県芸術劇場小ホールにて上演いたします。あいちトリエンナーレ2016の期間中でもありますので、セットで楽しんでいただけます。ぜひ愛知に遊びに来ていただければ嬉しいです。
最後になり恐縮ですがこのたびの熊本、大分などで発生した地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。現在も余震が続いていると聞いています。一日も早く落ち着いた生活が送れる日が来るよう祈念申し上げます。
九州の演劇人にはなにかと縁深いAAF戯曲賞。過去には第2回に永山智行(宮崎)が『so bad year』で受賞。また、福岡出身の松田清志が第5回(『地蔵さんが転んだ』)、市原佐都子が第11回(『虫』)を受賞、池田美樹(熊本)が『踊り場の女』で第14回最終候補に選ばれている。
近年、九州以外の地域の戯曲賞においても九州の劇作家の活躍は目覚ましい。今年度から九州戯曲賞が隔年開催となり、九州の劇作家にとって大きな痛手となったいま、AAF戯曲賞などの地方発の戯曲賞にも視野を拡げてみるのもよいだろう。
締め切りは7月31日(日)必着。詳細は愛知県芸術文化センターサイト参照。お問い合わせは愛知県芸術劇場 AAF戯曲賞係052-971-5609、ws5@aaf.or.jpまで。
【関連サイト】
第16回AAF戯曲賞
第15回AAF戯曲賞受賞作記念公演『みちゆき』公演詳細ページ
愛知県芸術劇場(Twitter)
【関連記事】
九州戯曲賞、隔年開催に
※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。