博多座で上演中の『細雪』、28日まで

2017.04.22

今月28日(金)まで、福岡市博多区下川端町の博多座で『細雪』(原作:谷崎潤一郎、脚本:菊田一夫、潤色:堀越真、演出:水谷幹夫)が上演されている。

『細雪』

時代は昭和十年代、場所は大阪・船場。徳川の時代から続く木綿問屋・蒔岡商店。
先代の父から譲り受けた家業の暖簾を守り、格式を重んじる長女・鶴子。分家して神戸・芦屋に住まいを構え、妹たちを優しく見守る次女・幸子。数多あまたの縁談を断り続け、婚期が遠のいていく三女・雪子。ハイカラで活発、手に職をつけて自立の道を切り開いていく四女・妙子。
時代は戦争に向けて大きく動き出している中でも、優雅さを忘れない美しき四姉妹。それぞれの想い、それぞれの人生を歩んでゆく。
そしてついに日中戦争勃発。本家の蒔岡商店は倒産。姉妹たちは自分たちの世界が古き良き時代、すでに過去になりつつあることを感じ始めている。
それでも彼女たちは美しくあることをやめない。散るからこそ美しい、満開の紅枝垂の桜のように……。

昭和41年の初演以来半世紀にわたって繰り返し上演され、3月の明治座の公演で上演回数1500回を超えた『細雪』。今回四姉妹を演じている賀来千香子、水野真紀、紫吹淳、壮一帆の4人は、1か月の明治座公演を経て本当の姉妹のようにチームワークも完璧。

2015年まで次女役を務めていた賀来は、福岡公演前日の4月11日に行われた囲み取材で「長女役で家を守るという立場になって、気持ちがよくわかるようになりました。次女は出番が多くて大変な役ですが、長女はエネルギーが必要でやりがいのある役だと思います。次女役も大好きだったのですが、長女役も大好きになりました」と心境の変化を告白。

水野は「次女役はみんなの調整役、私自身が役柄と同じ次女ですので、周りの空気を読んだりするところはよく似ているのかなと思いますが、幸子という役は言いにくいこともさりげなく主張する立場でもあるので、その辺りを私なりの役作りで表現したい」と語った。

紫吹は「今回演じる三女の雪子という役は、ちょっと不思議な感じとか、お金のことが全く分からないとか、王子様をずっと待っているとか、私自身の役作りは要りませんでした(笑)。初めて雪子という役で今まで縁のなかった博多座に立つことが出来たということは、夢を見続けたら王子さまに出会えるのかなと。そう確信しております。」と笑いを誘った。

2014年まで宝塚で男役を務めていた壮は「素敵なお着物を着せていただいて、一足飛びに女性に近付けるのではないかとありがたく演じさせていただいております。日々お姉さま方に厳しくも愛のある突っ込みをいただきながら女に磨きをかけてきた成果を福岡はじめ九州の皆様にもご覧いただければと思います。」と明るく意気込みを語った。
最後に賀来より「自然の桜はもうすぐ散ってしまいますが、博多座の桜はもう少し先まで咲き続けます。いつもより長く堪能できますので、皆様ぜひ劇場に足をお運びください」とPRした。

出演は、賀来千香子、水野真紀、紫吹淳、壮一帆、葛山信吾、磯部勉、川﨑麻世、橋爪淳、太川陽介ほか。

チケットはA席14,000円、特B席11,000円、B席7,000円、C席4,000円。博多座オンラインチケットでの取り扱い。

お問い合わせは博多座電話予約センター092-263-5555(10:00~18:00)まで。


『細雪』

原作:谷崎潤一郎
脚本:菊田一夫
潤色:堀越真
演出:水谷幹夫
日時:2017年4月12日(水)~4月28日(金)※詳しいスケジュールは公式サイトをご確認ください
会場:博多座(福岡市博多区下川端町2-1)
料金:A席14,000円
   特B席11,000円
   B席7,000円
   C席4,000円

【関連サイト】
博多座『細雪』公演詳細ページ

※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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