高校演劇日本一、伝説の作品『もしイタ』が宮崎で上演

2017.07.16

青森中央高校演劇部(青森)が『もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』を7月23日(日)、都城市北原町の都城市総合文化ホール 中ホールで上演する。

都城市総合文化ホール自主事業 青森中央高校演劇部『もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』

4月。青森市にある某県立高校。その野球部に女子マネージャー、ミサトが入部してきます。彼女は1年生の頃、陸上部に入部しており、やり投げでインターハイに出場したほどの選手でしたが怪我のため現役を断念し、陸上部が廃部になったため、3年生のこの時期に野球部に入部したのです。自分が果たせなかった夢を野球部に仮託し、情熱を燃やすミサトでしたが、肝心の野球部は部員が8人しかおらず、やる気のかけらもありません。一念発起したミサトは部員勧誘に乗り出しました。やがてミサトは転校生、レオに目を留めます。レオは被災地の学校からこの春転校してきたばかりでした。そして、前の学校では野球部に所属していたというのです。「野球は辞めた」と言いはるレオをなんとか説得したミサトは「今度はちゃんとしたコーチに来て貰おう」と学校に掛け合います。しかしやってきたコーチはなんと、盲目の老婆、イタコでした。「ワの言うことを聞げば絶対甲子園さ行ける」と宣言する老婆。野球部はいったいどうなってしまうのでしょうか?

2017年4月の時点で、18都府県39市町と韓国・ソウルで計78ステージ上演され、全国高等学校演劇大会で3度の日本一に輝いた、青森中央高校演劇部の伝説の作品『もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』。東日本大震災によってチームメイトや家族を失い、青森に転校してきた主人公の成長を描いた青春群像劇。「被災した方々のためになにかさせていただきたい」という部員の希望から生まれた本作は、舞台装置や小道具、照明、音響を用いず、避難所や集会所などどこでも上演可能な作品。演劇部員全員が舞台を駆け回り、劇中歌を歌い、効果音を肉声で表現する。同校演劇部顧問で、渡辺源四郎商店の主宰でもある畑澤聖悟は、都城市総合文化ホールのインタビューで次のように答えている。

演劇によって幸福を味わっている者が演劇で誰かに幸福を味わっていただく。それこそが演劇を学ぶ意味だと信じます。
当初、「もしイタ」はいいとこ2~3年、続けても5年が限度だと思っていました。しかし、一昨年あたりから「そういえば震災ってあったんだなあ、と思いました」「もしイタなんてまだやってるの?」というようなツィートが目立ちはじめ、考えを変えました。当事者でない人間の「風化」の速さにゾッとします。意地でも上演し続けなければならないと今は考えています。

同校演劇部の上演の前に、2016年度宮崎県大会で優勝し九州ブロック大会に出場した都城泉ヶ丘高校演劇部の短編『もしかぐ’17~もしもかぐや姫が現代に男として生まれたら~』も上演。また、終演後には畑澤聖悟と永山智行(劇団こふく劇場)によるアフタートークも行われる。

チケットは、一般1,000円、高校生以下500円。都城市総合文化ホールチケットカウンター、インターネット予約、チケットぴあ(Pコード:458-571) での取り扱い。

お問い合わせは都城市文化振興財団0986-23-7140まで。


都城市総合文化ホール自主事業
青森中央高校演劇部『もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』

作・演出:畑澤聖悟
日時:2017年7月23日(日)13:30
会場:都城市総合文化ホール 中ホール
料金:一般1,000円
   高校生以下500円

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※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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