弦巻楽団が去年に引き続き北九州に登場

2017.09.07

弦巻楽団(札幌)が『サウンズ・オブ・サイレンシーズ』(作・演出:弦巻巻太)を9月23日(土)~24日(日)、北九州市八幡東区枝光本町の枝光本町商店街アイアンシアターで上演する。

長い闘病生活を送った母を見送った姉妹・つばめとつぐみ。
母の介護を続けてきた姉のつばめは40歳を目前に未だ独身、妹のつぐみは仕事先と家を往復しているだけに見える姉を心配し、恋人・渉(わたる)の職場の先輩・集(つどう)とのお見合いを計画する。つぐみと渉の思惑通りに交際を始めたつばめと集。しかし、集の決意のプロポースをつばめは断ってしまう。どうしてつばめはプロポーズを断ったのか、理由を探っていく中で、言葉には出せない4人の思いが浮かび上がる。
4人の登場人物が交わす、本音と建前の揺らぎ。「声にならない言葉」によって追い詰められていく人間たち。「声にならない言葉」を想像し、慮ることでかえって事態は窮屈になっていく…。思いやりと気づかいの間で押しつぶされる、現代人のコミュニケーションを題材にした悲喜劇。

若手演出家コンクール2014で最優秀賞を受賞した弦巻啓太率いる弦巻楽団が、去年に続いて北九州で公演を行う。本作は、若手演出家コンクール2014最優秀賞受賞記念公演として、下北沢「劇」小劇場(東京)で初演が行われた作品。今回、北九州以外にも津あけぼの座(三重)、in→dependent theatre 1st(大阪)でも上演される。劇団の作風や本作の内容について、弦巻啓太に話を聞いた。

ー弦巻楽団はどのような劇団ですか?

札幌を拠点に活動しています。ウェルメイドで幅広い観客に楽しんでもらえる作品作りが身上です。実験性や、破壊的な熱情より、いかにしてそれらを(実際は実験や破壊を行ってるにしても)気付かせないくらいウェルメイドな作品にするか、に重きを置いています。それはぐるっと回ってそうした作品こそが一番実験的で、破壊的な熱情の証明にもなると考えているからです。
おかげさまでこれまでの作品は好評だった舞台の再演でしか参加できない「札幌演劇シーズン」にたびたびエントリーされたり、中学校や高校の芸能鑑賞などにも招聘していただいてます。札幌でも屈指の作品レパートリーを持っている劇団だと自負しております。
目立った個性を持たず、ジャンルの偏りもなく活動しているため、一見劇団の「カラー」というものはありません。ですが、どの作品でもブレることのない人間への眼差し(けして温かい意味ではなく)と、舞台上の役者たちによって生み出される共通した劇的瞬間の中に、「弦巻楽団」のオリジナリティーは刻印されています。

ー今回の作品『サウンズ・オブ・サイレンシーズ』はどのような作品でしょうか?

非常にシンプルな、現代劇……会話劇です。4人の登場人物の日常的な会話の中から「言葉にならない想い」が浮かび上がります。それはけして良い意味ではなく。言い出せなかったことや、聞こえないふりをしたことで、事態が取り返しのつかない場所まで進んでしまう…そんな物語です。
「筋書きで魅せる」と言うことを放棄し、この作品では『生で人間を見ることの何が面白いのか』を突き詰めて作りました。びっくり人間大賞にはならないように注意して。舞台で、演劇で見る「面白さ」「豊かさ」は何か。自分たちは何を楽しんでいるのか?
そぎ落としてそぎ落として残った材料だけで作られた作品です。なので、やる側はとても難しいです。役者が「そこにいること」を問われ続ける作品です。上手に伝えよう、そう思ってしまうと舞台の魂が失われてしまうような作品です。上手くやるより、そこでいかに無防備になれるか。そんなしんどい舞台です。
だからこそ、見てる側は目が離せないと思います。

ーmola!をチェックしている方へメッセージをお願いします!

昨年は『四月になれば彼女は彼は』で初めて北九州公演を行えました。おかげさまで今年も九州で公演ができます。昨年の公演で、気温も人も温かい北九州の街が自分はすっかり好きになりました。
札幌で僕たちが積み上げてきた方法論や、作品作りが皆さんの目にどう映るかとても楽しみです。札幌という街で活動する意味や意義を自分は随分考えてきました。劇団としての成長とは何か。良い舞台とは何か。レベルの高い舞台とは何か。レベルが高いとはそもそもどういうことか。
賛否だけじゃなく、拒否や熱愛も含めて強い反応がいただけるよう頑張ります。
本当に幅広い作品を手がけている劇団なので、ホームページもチェックしていただけると嬉しいです!
劇場でお待ちしております!!

出演は、深浦佑太(ディリバレー・ダイバーズ)、温水元(満天飯店)、塩谷舞、成田愛花(劇団ひまわり)。

チケットは、一般2,500円、高校生以下1,500円。予約フォームでの取り扱い。

お問い合わせは弦巻楽団tsurumakigakudan@yahoo.co.jp、090-2872-9209まで。


弦巻楽団『サウンズ・オブ・サイレンシーズ』

作・演出:弦巻啓太
日時:2017年9月23日(土)19:00★
        24日(日)14:00
   ★……アフタートークあり
会場:枝光本町商店街アイアンシアター(北九州市八幡東区枝光本町8-26)
料金:一般前売2,500円(当日2,800円)
   学生前売1,500円(当日1,800円)

【関連サイト】
弦巻楽団『サウンズ・オブ・サイレンシーズ』特設サイト
弦巻楽団(Facebook)
弦巻楽団(Twitter)

※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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