木ノ下歌舞伎が『心中天の網島』リクリエーション版で宮崎公演

2017.10.22

木ノ下歌舞伎(京都)が『心中天の網島ー2017リクリエーション版ー』(作:近松門左衛門、監修・補綴:木ノ下裕一、演出・作詞・音楽:糸井幸之介)を11月1日(水)〜2日(木)、宮崎市船塚のメディキット県民文化センターで上演する。

木ノ下歌舞伎『心中天の網島ー2017リクリエーション版ー』

だらしなくも憎めない紙屋の主人・治兵衛、天真爛漫な遊女・小春、治兵衛を献身的に支える妻・おさんが織りなす、天まで突き抜ける、ふしだらでピュアな“愛”と“死”のドラマ。

「木ノ下歌舞伎」は、歴史的な文脈を踏まえつつ、現代における歌舞伎演目上演の可能性を発信する団体。あらゆる視点から歌舞伎にアプローチするため、主宰である木ノ下裕一が指針を示しながら、さまざまな演出家による作品を上演するというスタイルで、京都を中心に2006年より活動を展開している。

木ノ下歌舞伎『心中天の網島』2015年初演時舞台(写真撮影:東直子) 木ノ下歌舞伎『心中天の網島』2015年初演時舞台(写真撮影:東直子)

今作は、近松門左衛門の心中物の最高傑作と評される『心中天の網島』の木ノ下歌舞伎(キノカブ)版。2015年に初演した同作が、ロームシアター京都のバックアップのもと、「2017リクリエーション(再創造)版」として、さらにパワーアップして再演される。演出には「妙ージカル」で知られるFUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介を迎え、低迷する社会をエネルギッシュに生き抜く町人たちの群像音楽劇へと押しひろげる。

また、本作は2016年度に10周年を迎えた木ノ下歌舞伎が、【木ノ下“大”歌舞伎】と銘打ち行っている作品のひとつにラインナップされ、全国5都市ツアー(京都、三重、香川、宮崎、神奈川)を行う。

本作の上演に向けて、主宰の木ノ下、宮崎出身で『板子乗降臨』・『瞬間光年』に続きメディキット県民文化センターの舞台に今年3度目の登場となる出演者の日髙啓介よりコメントが届いた。

木ノ下歌舞伎『心中天の網島』2015年初演時舞台(写真撮影:東直子) 木ノ下歌舞伎『心中天の網島』2015年初演時舞台(写真撮影:東直子)

木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎)

宮崎のみなさんこんにちは。木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一です。
このたび、満を持して、はじめて宮崎で公演できますことをとても楽しみにしてます。
ここ数年ほどでしょうか、親しくしている演劇人たちから「宮崎は面白いよ!」という声をよく聞くようになりました。
「地域における劇場文化を発信しつづける宮崎県立芸術劇場という劇場が面白い」、「作品を真剣に受け止めようとしてくださる客席との濃密な空気の”やりとり”が面白い」、「受け取ったものをダイレクトなことばにして語ってくれるお客さんの感想が面白い」などなど……耳にしてきた数々の”宮崎の面白さ”を思い出しながら、宮崎行きが迫る今、胸を膨らませています。
『心中天の網島』は、近松門左衛門の最高傑作と名高い演目ですが、それを近松の時代から300年後に生きる私たちがアップデートしたのが本作です。歌舞伎的でありながら現代演劇的でもある、近松の作品でありながら木ノ下歌舞伎の作品でもある、そして、古典の物語でありながら現代の話でもある……そんなハイブリットな演劇をお届けできればと思い、稽古を重ねてきました。
近松の物語を敬しつつも挑発しながら糸井さんが紡いだ台詞と音楽、文字通り”全身全霊”で古典に挑む俳優さんの演技、ダイナミックな舞台美術や凝りに凝った音響、照明など……見どころはたくさんありますが、300年の時間を自由に行き来しながら、ぜひ”面白がって”いただければ幸いです。
私たちも、宮崎公演をサイコーにエンジョイしようと思っています。

日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣)

宮崎の皆様、こんにちは。日髙啓介と申します。今年は2月の『板子乗降臨』、9月のFUKAIPRODUCE羽衣『瞬間光年』に続き、3回目の宮崎県立劇場の出演となり、故郷で舞台に立てる嬉しさを、改めて噛みしめております。
この木ノ下歌舞伎『心中天の網島』は、2年前の初演で大変、好評をはくした作品で、
さらにパワーアップして蘇りました!
演出は、FUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介。もちろん名曲がたくさん詰まった音楽劇です!
たくさんの皆様に観ていただきたい作品です!!
劇場でお待ちしておりまーす!

出演は、日髙啓介、伊東茄那、伊東沙保、武谷公雄、西田夏奈子、澤田慎司、山内健司。

チケットは一般2,500円(当日3,000円)、U25割2,000円(鑑賞時25歳以下)、高校生以下1,000円。

お問い合わせは木ノ下歌舞伎075-285-2485まで。


木ノ下歌舞伎『心中天の網島ー2017リクリエーション版ー』

作:近松門左衛門
監修・補綴:木ノ下裕一
演出・作詞・音楽:糸井幸之介(FUKAIPRODUCE羽衣)
日時:2017年11月1日(水)19:00★
        2日(木)19:00
   ★アフタートークあり
会場:メディキット県民文化センター(宮崎県宮崎市船塚3-210)
料金:一般2,500円(当日3,000円)
   U25割2,000円(鑑賞時25歳以下)
   高校生以下1,000円

【関連サイト】
木ノ下歌舞伎
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※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

文責:九州南部駐在員H

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