空晴、満を持しての北九州公演は、新作と再演の二本立て!
空晴(大阪)が第16回公演『遠くの花火』『もう一回の、乾杯。』(作・演出:岡部尚子)を11月25日(土)〜26日(日)、北九州市小倉北区室町の北九州芸術劇場 小劇場で上演する。
『遠くの花火』
10年ぶりの花火大会と、明日に控えたその家の次女の10年祭の為に親戚が集まる日。そこに学生服に身を包む少年がいて、隣の家の者だと名のる。ところが隣の息子は一か月前に亡くなっていた…。10年という時間は、もうなのか、まだなのか、やっとなのか…。
『もう一回の、乾杯。』
別居状態の妻から「式にいってこい」と言われ、妻側の親戚の家にやってきた男。結婚式かお葬式かどちらかわからず困惑するばかり。久しぶりに集まった親戚たちが招く誤解や勘違いが絡まり、今はそこに集まれなくなってしまった人への想いも交差していく。
大阪を拠点に活動している空晴が、10周年を記念して、満を持しての北九州公演を行う。初の北九州公演は、なんと新作『遠くの花火』と2010年に上演されたされた『もう一回の、乾杯。』再演の2本立て。これまでの空晴の歩みや今回の公演への意気込みについて、空晴代表で2作の作・演出を務める岡部尚子に聞いた。
ーまずは、10周年おめでとうございます。空晴としての10年間のなかで、印象に残っている出来事を教えてください。
ありがとうございます。
2007年1月に旗揚げを発表した時に「おめでとうございます」だけではなく「ありがとうございます」という言葉をいただいた事が本当に衝撃で、嬉しかったです。4月の大阪のみでやった旗揚げイベントのリーディング公演にも、東京や大阪以外の都市からもお客様が駆けつけて下さいました。なので旗揚げ公演から意を決して大阪・東京二都市公演を敢行し、その後呼ばれてもいないのに福岡公演、札幌公演と「行きたい・やりたい」その想いだけで地方公演も積極的に行っていくきっかけになった出来事です。あと一番はやはり、空晴の10年は、旗揚げメンバーの川下ともこを亡くしてからの10年でもあります。旗揚げ公演直後に亡くなった彼女の分も、と言うより一緒にやってきた10年だと思っています。
ーこの10年で変わったところと、変わっていないところはどこだと思いますか?
空晴を立ち上げた当初は数作しか書いていなかったので、私が作家としての経験を積んだことは空晴にとって大きな変化だと思います。いや、成長したなんてとても自分では言えないですが……作品を発表するごとにお客様や関係者からのリアクションがあるので、それを糧に同じことをやっているようで、少しずつ挑戦して行っているつもりです。あとは劇団が公演を重ねるごとに、旗揚げ当初は予想もしていなかった客演の方にこれまで出演いただいていることは、劇団員のみで始めた空晴にとっても大きな変化です。でも大きな演劇的飛躍をせずに身近な人間関係に重きをおいて、アットホームなホームコメディを創りつづけていることは変わりないですね。
ー満を持しての北九州公演。再演と新作の二本立てですが、なぜ二本立てにしようと思ったのか教えてください。
本当に満を持してです! 旗揚げ当初に先輩劇団の南河内万歳一座の北九州公演を旅行がてら観に来て、劇場や街の空気、そして美味しいものに感動して「いつかここで!」と思っていたので! ありがとうございます! そして何故二本立て…実は色々なスケジュール的な事情から、10周年なのに前回公演から1年以上あいてしまって、今年度の本公演は1本だけになってしまったんです。なので、一気に二本観ていただける二本立てにしよう! とちょっと単純な理由です。でも空晴を立ち上げてから再演は初めてなので7年間の自分の戯曲に取り組むことで今回の新作が更に面白くなったと思っています。
ー新作『遠くの花火』は、これまでの10年を振り返るとともに、これからを見つめる作品になりそうですね。今回の10周年・二本立てを経て、次に着地したいところはどこですか?
本当にそうなりました。そうなってしまったというのが本音です。今しか書けないこと、今だから書ける事を詰め込んだ……当初「10年という節目を敢えてそんなに踏まえず」なんて思っていたのが、これを観れば空晴がわかる! と言うほどに空晴の10年の想いや、作風が詰め込まれた文字通り代表作になってしまいました!
一旦ここで今まで書いてきたことに区切りはつけたつもりですが……やはりこのホームコメディというスタイルが好きだと再認識できましたし、二本立てをやって「同じ材料でどこまで違う料理を作るか」みたいな今までやってきたことを一つの公演で挑戦も出来たので、もっともっとそれを突き詰めていきたいです。もっともっと「劇団」にこだわって、今、やりたい人と、書きたいことを書いていきたいと思っています。
ー最後に、mola!をご覧の方に一言お願いします!
本当に待望の北九州公演でした! 普通は逆ですよね、お客様側から言っていただく言葉ですが、あえて空晴側から声を大にして言わせていただきます! 待ってました!
だからこそ、たくさんの方に出会える公演になればと思います。10年待ちました!
再演と言えど、福岡自体にきたのが第六回公演からなので第五回公演の「もう一回の、乾杯。」は北九州では新作です!
劇団の中でも再演希望の高かった作品で、7年経った今でも10月中旬に終えた東京公演でも大好評でした! こんな機会はないと思いますので、是非とも過去の代表作と、最新作を一気に二本観て空晴を知っていただきたいです!
そしてどうぞ、これからもよろしくお願いいたします!
出演は、上瀧昇一郎・小池裕之・古谷ちさ(『遠くの花火』のみ)・南川泰規・駒野侃・岡部尚子/太田清伸。音楽に金佑龍。
チケットは、一般3,500円(当日3,800円)/二本立て6,000円、U-22 2,500円(当日2,800円)/二本立て4,000円、U-高校生1,500円(当日1,800円)/二本立て2,000円。劇団サイト、チケットぴあ(Pコード:480-246)での取り扱い。
お問い合わせは北九州芸術劇場093-562-2655まで。
空晴 第16回公演『遠くの花火』『もう一回の、乾杯。』
作・演出:岡部尚子
日時:2017年11月25日(土)19:00(遠く)
26日(日)14:00(乾杯)/17:00(遠く)
会場:北九州芸術劇場 小劇場(北九州市小倉北区室町1-1-11 6F)
料金:一般3,500円(当日3,800円)/二本立て6,000円
U-22 2,500円(当日2,800円)/二本立て4,000円
U-高校生1,500円(当日1,800円)/二本立て2,000円
【関連サイト】
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北九州芸術劇場『遠くの花火』『もう一回の、乾杯。』公演詳細ページ
※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。