侘び助が『苦海浄土』を再演
侘び助(北九州)が朗読ライブ『苦海浄土』(原作:石牟礼道子、構成:鳴)を6月3日(日)、福岡市東区志賀島の荘厳寺で上演する。
石牟礼道子の『苦海浄土』は、水俣病についての記録文学。患者たちからの聞き書き、裁判をめぐる動向などが記録されている。「天のくれらす魚」あふれる海が、豊かに人々を育んでいた幸福の地。しかしその地は、海に排出された汚染物質によって破壊し尽くされた。貧しい漁村で暮らしていた人たちが思いもしない原因で奇病にかかり人生を壊されてしまう。その時、「石牟礼道子」という存在を通し、水俣の言葉が濃厚に語られる。
朗読と様々表現を融合させた催しを積極的に開催している侘び助。昨年9月に公演した『苦海浄土』を、約700年の歴史を誇る臨済宗の寺院、荘厳寺で再演する。萬田陽子より再演に寄せる思いが届いた。
今年に入り石牟礼道子さんの突然の訃報、いちファンとして、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
昨年8月16日、世界で水銀を規制する条約に水俣の名が冠せられました。水俣のエコパークと呼ばれる清潔な公園の下には、今も水銀に汚染された大量の土が、魚ごと埋まっています。終わっていない。まだ水俣病は終わっていない、という印象を強く受けます。石牟礼道子さんは、熊本の地で、詩を紡いでおられました。
そして、水俣の人々の祈りを自分の祈りとし、強い心と美しい言葉で、かの地を癒そうとしてらっしゃるように思います。
『苦海浄土』を、私達が入口となり、皆様の魂に届けられたらと願ってやみません。以前、石牟礼道子さんが、『荘厳されているような心持ちで、苦海浄土を書いた』というお話しをきき、“荘厳”という言葉を冠しているこのお寺での再演となりました。
朗読にピアノの音色にのせて、水俣病の重みと深い悲しみ、それにもまして鮮やかに浮かぶ景色の美しさと、全てを包む祈りを感じて頂けたらと思います。
朗読、語りは映画や演劇に比べてその自由度が高く、言葉と想像力さえあれば聞き手を無限の世界へ案内することができ、そこを目指して朗読、語りという表現活動しています。
出演は、萬田陽子、鳴、上田たけし(音楽)。
チケットは1,000円。なお、利益の一部を水俣病支援に寄付するという。
予約・お問い合わせは090-9471-4613(めい)まで。
侘び助 朗読ライブ『苦海浄土』
原作:石牟礼道子
構成:鳴
日時:2018年6月3日(日)14:00
会場:荘厳寺(福岡市東区志賀島813-1)
料金:1,000円
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