劇団しようよ代表作『パフ』で北九州・沖縄公演

2018.10.24

劇団しようよ(京都)が2018年本公演全国ツアー『パフ』(作・演出:大原渉平、音楽・演奏:吉見拓哉)を11月3日(土・祝)~5日(月)に北九州市八幡東区枝光本町の枝光本町商店街アイアンシアターで、11月9日(金)~11日(日)に那覇市銘苅のアトリエ銘苅ベースで上演する。

劇団しようよ 2018年本公演全国ツアー『パフ』(撮影:脇田友) 劇団しようよ 2018年本公演全国ツアー『パフ』(撮影:脇田友)

ピーター・ポール&マリーの「Puff,the Magic Dragon」をモチーフとして2014年に製作された『パフ』。今を反映してリクリエーションされた新たな『パフ』も、京都と東京での公演を終え、残すところ北九州と沖縄での公演のみとなった。作・演出の大原渉平と出演者の森岡光(不思議少年)、横山祐香里(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)、夏目慎也(東京デスロック)に、残る2公演への意気込みなどを聞いた。

ー大原さんにとって「演劇」とはどういうものですか?

大原 「柵」のようなものだと感じます。自分と他者をわけるための柵、という感じでしょうか。わたしとあなたはここが違うんだよ、と、可視化するようなものが演劇なんじゃないかと考えています。少なくとも現時点の自分としては……。同じように、「あなたとあなた」はここが違うんだよ、と、間に柵を置くことで「あなたたちの違い」を見えるものにするのが演劇であるように感じています。こう言うと回りくどいように感じるかもしれませんが、わたしと誰かは決定的に違うんだ、というところを気づかせてくれるのが演劇のやっかいなところであり、魅力的なところなんだと思います。

ーでは、「劇団しようよ」はどういうものですか?

大原 劇団も同じように思います。ひとりではなにもできないし、彼らとともに生きなくてはならない。そんなお互いの間にある柵を見つめることが、劇団として活動することのように感じます。なんだか、わくわくするようなコメントではないかもしれませんが、この感覚は『パフ』にも存分に発揮されている感覚かもしれません。劇団しようよの最新作をご期待下さい!

ー出演者の方々に伺います。4か所ツアーも前半が終了しました。今の感想を聞かせてください。

森岡 回を増すごとに、轟々と渦を巻くような静かな重みを感じています。九州はもう是非見に来て欲しい方がたくさんいらっしゃいますし、沖縄は初めて行くので、わくわくしています! 今回はある島のお話なのですが、私自身も島出身で、この作品に取り組みながら色んな思いを持ちました。九州沖縄の方にどう感じていただけるのか、楽しみです!
横山 劇場が変わると、それに合わせて大原くんもこだわりを持って演出を変えてきます。京都で一旦見えたと思った箇所も、東京ではさらに深く潜りに行きました。吉見くんの生演奏もあるし、少しづつ作品の感触が変化して行く感じ。それを楽しみつつ皆であれやこれや話しながら進んできました。
夏目 思い返せば色々ありました。稽古のため京都に移動した日に台風直撃。京都公演も台風直撃で人生初めての1日公演中止に。再演といいながらもはや新作。それに自分以外のメンバーがとても若くて個性的なチーム。まだまだツアーはこれからですがすでにとても思い出深い公演になっています。

ー残る北九州、沖縄公演への意気込みなどをお願いします。

横山 とにかく、九州のお客様に観て頂けるのがとても楽しみです! 北九州では自分のことを知っているお客様も多いので、その方たちの目にはどんな風に映るのかな……と。そして沖縄は、私も初めて公演する場所なので未知!島の話だから、そこが客席にどう響くか……。その土地のものを吸収しながら作品をうねらせて行けたらなあ、と思います!
夏目 当事者性についてよく考えます。地震の被災者に対して、基地問題について、あるいは世界中で起きている紛争について、わたしは何ができるのか。どのように寄り添えばいいのか。劇団しようよ『パフ』は人に寄り添うことの難しさが描かれています。観る人によっては苦しい物語かもしれませんが、私たちが現在抱えているものが舞台上にあると思います。とはいえ気楽に観てもらいたい作品だとも思っています。ぜひ多くの人に見てほしいと願っています。
森岡 今回の『パフ』は、演じる私たちにも、登場する人物にも、それぞれ想いがある作品だと思います。本当に様々な想いが交錯しているその中に、お客様一人一人の想いや感じ方が入ることで、さらに強度を増していく気がしていて。ですので、是非観に来ていただき、ご感想をいただければ嬉しいです。私たちは劇場で待つことしかできませんが、九州沖縄の皆様のご来場を心よりお待ちしております!
大原 北九州には今年の3月にも公演で訪れました。その時の柴幸男さんの『あゆみ』を上演させていただいたのですが、今回はまぎれもなく僕のオリジナルです。オリジナル作品を北九州に持ってくるのは、実に6年ぶりです。なので、せっかくのこの機会に京都の劇団しようよをしっかりチェックしていただきたいな、と思っています! よろしくお願いします。

出演は、西村花織、藤村弘二、大原渉平、吉見拓哉、川上唯、森岡光(不思議少年)、横山祐香里(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)、夏目慎也(東京デスロック)。

チケットは、一般前売2,500円(予約・当日3,000円)、25歳以下前売2,000円(予約・当日2,500円)、高校生一律1,000円。イープラス劇団しようよでの取り扱い。

お問い合わせは劇団しようよgkd_444@yahoo.co.jp、050-5327-1721まで。


劇団しようよ 2018年本公演全国ツアー『パフ』

作・演出:大原渉平
音楽・演奏:吉見拓哉

【北九州公演】
日時:2018年11月3日(土:祝)18:00
        4日(日)14:00☆/18:00★
        5日(月)19:00
   ☆、★の回アフタートーク実施
   ☆徳永京子(演劇ジャーナリスト)★大迫旭洋(不思議少年)
会場:枝光本町商店街アイアンシアター(北九州市八幡東区枝光本町8-26)
料金:一般前売2,500円(予約・当日3,000円)
   25歳以下前売2,000円(予約・当日2,500円)
   高校生一律1,000円

【沖縄公演】
日程:2018年11月9日(金)~11日(日)
会場:アトリエ銘苅ベース(那覇市銘苅204)

【関連サイト】
劇団しようよ
劇団しようよ(Twitter)

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※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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