ヒカリノオトが『さよなら、サンカク』を再演
ヒカリノオト(福岡)が『さよなら、サンカク』(作・演出:松岡伸哉)を2月6日(水)~9日(土)、福岡市東区千早のなみきスクエア 大練習室で上演する。
十五歳の、とある日。
私は知らない男の人に連れ去られた。
空白の五年と何ヶ月か。
その『部屋』の窓はダンボールで塞がれていた。
いつも階下からはその人の母親の声が聞こえていた。
二十歳の、とある日。
私は木製の扉を開けて、螺旋上の階段を駆け下りた。
音がした。匂いがした。風を感じる。光を感じる。走る。
息をする。頭が割れそうなほど痛い。生きてる。
これからも、きっと生きてく。
人間の弱さや強さ、そして「家族」という狭く閉鎖的なコミュニティだからこそ起こってしまう事柄を、実際に起きた少女監禁事件をモチーフに鮮烈に描き出す。
少女が監禁されている過去、そして五年ぶりに解放された現在を交錯させながら、徐々に事件の全貌を明らかにしていく。
事件は解決しても、未だ解決できていないこと。
解決しようがないこと。
途端に騒がれては消えてしまうニュースの、その後。
そして何故事件は起きたのか、何故少女は生きて帰って来れたのか。
生々しく痛々しく、それでいて生きる希望に満ち溢れた「家族の物語」。
2017年の旗揚げ以降、日常の機微を丁寧に描き続けるヒカリノオト。本作『さよなら、サンカク』は、ひとつの監禁事件を軸に描かれる二組の親子の物語で、昨年3月に上演された。今回、「キビるフェス2019」での再演となる。ヒカリノオトの立道心からコメントが届いた。
監禁事件というものは私にはすごく現実味のないものでした。ですが、この登場人物たちを見ると決して他人事とは思えないような、どの人物達にも共感できるような、どこか少しタイミングが違えば自分もそういう行動を取ってしまうのかもしれない、そんな気持ちになってしまいます。
監禁された少女と、娘を数年間見つけることが出来なかった母親。そんな二人の日常と。犯人の男の家、そこには引きこもりの弟と、その母親が共に生活している。そんな監禁の日々。その二つの時間軸、二組の家族の日常が交錯しながら描き出されるのは、正真正銘の家族の物語〈ホームドラマ〉です。
どの人物もどこか少しだけ「歪み」が生じながらも、それを当たり前として日々を暮らしています。
最後に、今作『さよなら、サンカク』は監禁事件をモチーフにしていますが「希望」の物語です。観劇後、そんな登場人物たちのわずかな光、でも彼らにとっては大きな光を感じていただければ幸いです。
ご来場、心よりお待ちいたしております。
なお、昨年7月に上演された『はるまつあきふゆ』(作・演出:松岡伸哉)が現在、北海道戯曲賞の最終候補作品となっている。大賞決定は2月12日(火)。こちらの動向にも注目したい。
出演は、立道心、中島荘太、峰尾かおり、上田裕子、古賀今日子、白川宏治。
チケットは、一般前売2,500円(当日3,000円)、キビる割一般前売2,200円(当日2,700円)、学生前売2,000円(当日2,500円)。CoRichチケット!、ローソンチケット(Lコード:82960)での取り扱い。
予約・問い合わせはヒカリノオトhikarinote_info@yahoo.co.jpまで。
ヒカリノオト『さよなら、サンカク』
作・演出:松岡伸哉
日時:2019年2月6日(水)19:30
7日(木)19:30
8日(金)14:00/19:30
9日(土)14:00
会場:なみきスクエア大練習室(福岡市東区千早4-21-45)
料金:一般前売2,500円(当日3,000円)
キビる割一般前売2,200円(当日2,700円)
学生前売2,000円(当日2,500円)
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