原爆の苦悩を人形劇で
福岡県朝倉市で行われる『朝倉市国際子ども芸術フェスティバル』において、人形劇団むすび座(愛知県)が3月20日(金)~3月21日(土)、朝倉市のらくゆう館文化ホールで『父と暮せば』(作:井上ひさし(新潮社版)・演出:木村繁)を上演する。
1948年夏、広島。3年前の原爆により目の前で父を亡くした美津江は、幸せになることを自分に禁じて生きていた。そんな彼女の前に、父が現れ……。そして美津江は知るのであった。あの日、瓦礫の下から「逃げろ!」と怒鳴った父の想いを。自分の分まで生きて、ピカのことを後世に伝えて欲しいという父の切なる願いを。
本作品では、一つの役を二人の役者が演じる。人形を動かす役とセリフを言う役とに分かれたり、二人で人形を動かしたりするシーンがある。人形も合わせると、まるで、三者で一つの役を演じているように見える。
ヒロシマ、原爆の話ではあるものの、この芝居には笑いも多いという。娘の幸せを願う父親の姿は、一生懸命であるがゆえに、あるいは既にこの世のものではないがゆえに、どこかユーモラスで愛らしく、娘を思う父親の愛情がたっぷりと見えてくる。
むすび座からのメッセージには「このお話は原爆で父を失い苦悩する娘と、その娘の元に現れた「生きている死者」である父との四日間のお話です。その父と娘の濃密な四日間を、共にたっぷりと笑い、泣き、共感してください」とある。人間の持つ苦悩を人形が演じることで、素直に受け止められ、却って心に染み入りやすいのかもしれない。子ども向けのフェスティバルではあるが、この作品は大人にこそ観て欲しい、そして親子で原爆について考えて欲しい作品だ。
出演は、松本英司、林達美、八幡美佳、牟田柚希。
チケットは1作品券大人1,500円、親子券2,000円(子ども・大人各1名)のほか、期間中フェスティバルのすべての公演を観ることの出来るフリーパスバッジがある。子ども700円、大人3,000円、親子券3,500円(子ども・大人各1名)。お問い合わせは2015fes@asakura-fes.jp、0946-63-9120(実行委員会事務局)まで。
人形劇団むすび座 『父と暮せば』
作:井上ひさし(新潮社版)
演出:木村繁
日時:2015年3月20日(金)19:20
21日(土)10:00
会場:らくゆう館文化ホール(朝倉市杷木池田483-1 )
料金:1作品券 大人1,500円、親子券2,000円(子ども・大人各1名)
フリーパスバッジ 子ども700円、大人3,000円、親子券3,500円(子ども・大人各1名)
【関連サイト】
第14回朝倉市国際子ども芸術フェスティバル
人形劇団むすび座
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