アリプレ版“ロミジュリ”は誰も死にますん?

2019.04.16

有門正太郎プレゼンツ(北九州)がvol.6アリプレ版ロミオとジュリエット『僕は死にますん』(原案:ウィリアム・シェイクスピア、作・演出:有門正太郎)を5月14日(火)~16日(木)、北九州市小倉北区室町の北九州芸術劇場 小劇場で上演する。

有門正太郎プレゼンツvol.6 アリプレ版ロミオとジュリエット『僕は死にますん』

北九州を拠点に「くだらないことを面白く」「じいちゃんばあちゃんパパにママまで楽しめる作品」をテーマに活動するコント集団、有門正太郎プレゼンツ(通称、アリプレ)。5年ぶりの新作は、シェイクスピアの悲劇『ロミオとジュリエット』をベースとした作品。汗臭く、泥臭く、ただひたすらに笑いを追求するアリプレが、古典悲劇をどのように料理するのか? 有門正太郎プレゼンツの主宰で、作・演出・出演を務める有門正太郎に、作品について聞いた。

『とんちんかんちん』撮影:藤本彦 『とんちんかんちん』撮影:藤本彦

―ひさしぶりの新作ですが、なぜ『ロミオとジュリエット』をベースとしたのでしょうか?

アリプレのイメージから遠いものを題材にしたいなあ、アリプレのフィルターを通すとどこまでくだらなくなれるか、また若者も入ったのでその子たちを中心にしたいなあというのがありました。ま、どこまでほんとか見てのお楽しみですね。

―『ロミオとジュリエット』は悲劇として有名ですが、コントになっているのでしょうか?

どう見積もっても喜劇になってますね、こんなはずじゃなかったのにってくらい喜劇です。若者は芝居を真剣にしてます。周りの古参はふざけ倒してますけど。長編コントともとれるし、喜怒哀楽の激しい芝居とも取れるような作品になっています。

―稽古はどんな感じで進めていますか?

原作を使って稽古したりしました。古典は俳優修業にすごくいいんですね。口語ではなかったり、普段使わない台詞だったりするので、それらとどう向き合うのかなど、初めは丁寧な作業をしてました。北九州の若い演劇人たちがたくさん稽古見学に来てくれたこともあって、新人に向けて丁寧に、ワークショップのように作っていったことも特徴的かもしれません。公演ではそういったことは微塵も感じさせないかもですが……。

―中身はちゃんと『ロミオとジュリエット』なんですか?

ちゃんと『ロミオとジュリエット』のストーリーは汲んでますが、『ロミオとジュリエット』をキーワードにどこまで行けるかの挑戦をしていますね。ただ、誰も死にますん。

―死にま「すん」?

誰かのために命を投げ出すことが、僕はむかしよりも苦にならなくなりました。もう「自分が自分が」という年齢を超えたんだと。……それは愛なのか? ロミオとジュリエットはなぜ命を投げ出したのか? なぜそこまでできたのか? 若者に聞くと、「誰かのためには死ねません」と即答でした。そうよねーと思うと同時に、息子のためなら死ねるなあと感慨深く思う自分がいました。

―ズバリ見どころは?

息子の有門龍之介が出ることです! いや、北九州にこんなエンタメあってもいいんじゃないという作品ですかね。ほんとに子どもから後期高齢者まで楽しめます。平日のみの公演なので、会社帰りにぴったりの作品だと思います。疲れが吹っ飛びます。大切な週末を使うのは悪いので平日だけね。文学作品とはほど遠いので、古典が苦手な人におすすめしたいですね。

―最後にmola!をチェックしている方へメッセージをお願いします!

地方でお芝居を続けることにどんな意味があるんだろうともがいてた30代。そんなことも忘れて必死に生きてる40代。やっぱり演劇が好きなんだなあと感じる期間でした。
肩ひじ張らずに「稽古場が楽しい」を目指しながら作っていると、やっぱりこだわりが出てくる。実験し、挑戦して、ひとつずつ繋がっていく過程が楽しい。だったら真剣にストイックに作ったらもっと喜んでもらえるかも。そんなことを考えながら「誰も死なない『ロミオとジュリエット』」を創ってみたくなりました。頭にはずーっと「愛ってなんだ?」という問いがありましたが、いざ創ってみると、くだらなさが勝っていました。こんなことやってる場合じゃない40代が、こんなことやってしまってます。どうぞ見て笑ってやってください。そして「くだらないけど、なんかいいね。元気出た。明日から頑張ろう」となってくれたらうれしいなあ。
言えることはただひとつ。「ゴールデンウィーク明けの平日、そんなタイミング行けないよー」っていう人に、一人でも多く見てもらいたいのです。ぜひ劇場に足を運んでください!

出演は、有門正太郎、門司智美、木下海聖、坂口あす実、野村法可、有門龍之介(以上、有門正太郎プレゼンツ)、内田ゆみ、寺田剛史(飛ぶ劇場)、葉山太司(飛ぶ劇場)、中川歩(演劇関係いすと校舎)ほか。

チケットは、一般2,500円(当日3,000円)、高校生〔的〕チケット1,000円(枚数限定、劇場窓口前売のみ)。北九州芸術劇場オンラインチケット、プレイガイド、チケットぴあ(Pコード:491-429)、ローソンチケット(Lコード:88815)での取り扱い。

お問い合わせは有門正太郎プレゼンツ090-8404-0160まで。


有門正太郎プレゼンツvol.6 アリプレ版ロミオとジュリエット『僕は死にますん』

原案:ウィリアム・シェイクスピア
作・演出:有門正太郎
日程:2019年5月14日(火)19:00
        15日(水)19:00
        16日(木)14:00
会場:北九州芸術劇場 小劇場(北九州市小倉北区室町1-1-1-11)
料金:一般前売2,500円(当日3,000円)
   高校生〔的〕チケット1,000円(枚数限定・劇場窓口前売のみ)

【関連サイト】
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※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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