非売れがアイアンシアターで新作上演
非・売れ線系ビーナス(福岡)が第25回公演『捜索は終了しました』(脚本:田坂哲郎、演出:木村佳南子)を6月14日(金)~16日(日)、北九州市八幡東区枝光本町の枝光本町商店街アイアンシアターで上演する。
取り壊されて更地になった場所に、どんな建物が建っていたのか、もう思い出せない。
コンビニだった気もするし、不動産の店舗だった気もする。
昨日と今日で、喫茶店に飾られた絵が変わっていたとして、きっとそれには気づかない。
私たちは、自分が生きている世界のことを、あいまいに捉えることしかできない。
そんないい加減な世界で、失う、なんて絶対的なことは果たして起こるんだろうか。
そんなことを考えながら、でも内容は、地味パラレルワールドをさまよいながら人捜しをする男の話です。
福岡を拠点に活動している非・売れ線系ビーナスの最新作は、「ある男が昔の恋人に頼まれて、恋人の父親をさがす。しかし、その父親のことを誰も知らず、写真や記録も残っていない……」という物語。物語を通して「見たことないけど、あることは分かっているという不確実さ」や、ある種の不思議な感覚を描いたという。劇団主宰で脚本を担当する田坂哲郎に、作品について聞いた。
―本作の着想を教えてください。
頭の中で想像しながらさがすというか。リアル脱出ゲームのルーム型で遊ぶときに、まずは隠れているナゾをさがすことから始まるんですが、何を探しているか明確でないままさがすって結構大変なんですよね。ちなみに、宝物とか仕事とか手に入れたいものをさがす場合は「探す」で、行方不明者や犯人など見えなくなったものをさがす場合は「捜す」なんだそうです。
―見どころを教えてください。
同時期に北九州芸術劇場で公演があるブルーエゴナクの『ROMEO AND JULIET』が、長編モノローグ演劇だということなので、こっちは「超ダイアローグ」を掲げています。要するに会話劇なんですが、会話の魅力や可笑しさがたっぷり堪能できます。今度しばらくはこういう作品を作っていきたいと考えているので、その第一弾となる今作を見逃さないでほしいです。
それから、久しぶりに僕が主役をやります。主宰で脚本書いて主役やるって相当図々しい感じがしますが、僕が適当だと思ったので。こんなこと、16年非売れをやってきて2回目なので、ぜひ見に来て下さいませ。
―mola!をチェックしている方へメッセージをお願いします!
なぜかいつもmola!には「他では話してないマジの話」を書いてしまうので今回もそうするのですが、次はホラーをやりたい、というような話を演出の木村としていて、最初は映画の「残穢」とか、あるいは特殊清掃の話をイメージしていました。あと、僕の中でずっと「これほんとだったら怖いな」という出来事があって、それが作品の種だったんだと思います。で、僕、英語学習アプリをスマホに入れていて時々起動させるんですが、ある時英文和訳で「The search isover(捜索は終了しました)」というのが出て、それがひどく印象に残ったんですね。なんだか怖い言葉だな、と。それでそこから、誰かを捜す話にしようという風にイメージが広がっていきました。
とはいえ出来上がった作品はホラーというわけではありません。お化けとか出てこないし。むしろシチュエーションコメディに近いような気がします。でも、どことなく「残穢」の雰囲気もあったりするし、見る人によって印象の変わる作品になるのではないかと思っています。
スペースワールドはもうないけれど、スペースワールド駅はある。そんな「なんかちょっと違和感」が至る所にちりばめられた作品です。スペースワールドが今や広大なスペースになっているのをこの目で見られる枝光アイアンシアターにぜひ遊びに来ていただきたいと思います!
出演は、田坂哲郎、ぽち、ケニー、成清暁子、根岸美利、中島伊織、にしむらまなみ、長野哲也、青野大輔。
チケットは、一般2,500円(3,000円)、学生1,500円(2,000円)。予約フォームでの取り扱い。
お問い合わせは非・売れ線系ビーナスhi.uresenkei.venus@gmail.com、080-3986-0864まで。
非・売れ線系ビーナス 第25回公演『捜索は終了しました』
脚本:田坂哲郎
演出:木村佳南子
日時:2019年6月14日(金)19:30
15日(土)14:00/18:30
16日(日)14:00
会場:枝光本町商店街アイアンシアター(北九州市八幡東区枝光本町8-26)
料金:一般2,500円(当日3,000円)
学生1,500円(当日2,000円)
【関連サイト】
非・売れ線系ビーナス
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※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。