九州戯曲賞大賞に山口大器『量子の歌声』

2019.06.26

九州の劇作家の発掘や育成を目的とする九州戯曲賞。第9回の大賞は山口大器の『量子の歌声』が受賞した。

第9回九州戯曲賞大賞授賞式

『量子の歌声』は今年3月、山口が代表を務める劇団言魂の本公演として枝光本町商店街アイアンシアターで上演された作品。失われた「五感」を取り戻すため、三人の男が宇宙船に乗り込み宇宙を旅するが、五感を取り戻すにつれ、地球に何が起こったかが明らかになっていく……という物語。山口大器から受賞についてのコメントが届いた。

『量子の歌声』は、自分が代表を務める劇団言魂の本公演に向けて執筆した作品です。
2018年に大学を卒業し、もう少し演劇を通して自らの表現を続けたいと願い、気合いを入れて創作にあたりました。
その過程で、戯曲講座を受けさせていただいたり、月いちリーディングin北九州に取り上げていただくなど、たくさんの勉強の機会に巡り会い、戯曲や演劇に対して、たくさんの考える種をいただきました。
そんな中で、自分の表現を見つめ直したときに、自分がしてきたこれまでの選択や、その可能性に自然と興味が湧きました。そこから作品の構想を始めました。そして、公演のために集まってくれたメンバーにセリフや設定を当てながら、いただいた経験を糧にして書き上げました。そう考えると、この作品は、たくさんの巡り合わせの中で書き上げた作品であり、その作品に九州戯曲賞、という大きな評価をいただけたことを、心から嬉しく思います。僕が進んできた道、これから行こうとする道は、とりあえずは間違っていないんだ、と大きな勇気になりました。
まだまだ、演劇について知りたいことがあり、その可能性を感じています。兜の緒を締め直し、真摯に演劇に向き合っていきたいと思います。是非、これからのその過程を見届けていただけたら嬉しいです。まだまだ頑張ります。

【関連サイト】
九州地域演劇協議会
劇団言魂

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※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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