田崎小春が2時間の一人芝居に挑む
田崎小春が福岡に帰省してひとり芝居をする会が『ギャンブラーのための終活入門』(戯曲:ガリー・マクネア、翻訳:小畑克典、演出:田野邦彦)を8月16日(金)~18日(日)、福岡市中央区大名のkonya-galleryで上演する。
おしゃべりとギャンブルが大好きな少し変わったじいちゃん・アーチー。
1998年、癌を患い余命1ヶ月と宣告されたアーチーは、かつてサッカーくじで得た大金を
「2000年のミレニアムを越えてなお、生き続けていられるかどうか」という自分自身への賭けにつぎ込む。
私たちは何のために生き、何を残して人生を終えるのかーー。
2015年のエジンバラ演劇祭で上演された、祖父の終活を孫の視点から描いたガリー・マクネアの戯曲『ギャンブラーのための終活入門』。日本では2016年に青年団リンクRoMTによって初めて上演された。今回の公演は、元・万能グローブ ガラパゴスダイナモスの田崎小春が企画・出演を行うひとり芝居。田崎小春に作品について聞いた。
―本作を福岡で上演することになったきっかけを教えてください。
この作品は昨年RoMT Acting lab.という企画公演で東京で一度上演させていただきました。東京に出て初めての公演でした。この作品に参加する前、私は、なぜ演劇をするのか、なぜ役者なのか、必要なのか意味があるのか、そんなことを考えていたと思います。昔からほんとうのことを見たい知りたい欲が強く、この時期は特に、演劇なんて嘘ばかりで役者をしているとどんどん嘘が上手くなるばかりじゃないかと嘆いていた気がします。赤ちゃんやおじいさんおばあさんには存在として勝てないし、面白い役者じゃない人の方が魅力的だと思ってました。ただそれでも芝居がしたかった。そんな時期に二時間の一人芝居のオーディションがあると知り、これは役者だからできることなんじゃないかと思ったんです。役者じゃないと二時間分のセリフを覚える役目を自ら買って出ないだろうって。そして何か新しい景色や価値観と出会える気がしました。堂々と芝居を続ける理由が欲しかったんだと思います。
去年の本番が終わって、演出の田野さんが「小春ちゃんはまたこの作品をしたらいいと思う」と言いました。上手いとかではなく、合ってると思ったんじゃないかなぁ。。私ももう一度向き合いたかったし、大好きな作品なので、今回私が企画して、生まれ育ち演劇をしてきた福岡で上演しようという運びになりました。
―見どころを教えてください。
「二時間の一人芝居」なので私がずっと出てるのですが、観てもらうというより聴いてもらうというイメージです。私が孫としておじいちゃんのことを語っているのですが、聴きながらお客さんそれぞれにとっての大切な人や時間を想い、出会いなおす時間になればいいなと思っています。
演出の田野さんはワークショップのお仕事などで福岡の演劇の人たちとも関わりがあり、私がどう思われてるかも何となく感じているらしく(笑)、「田崎小春を知ってる福岡の人たちにどう見てもらうか」も気にしつつ演出してる感じはします。田野さんは本当に全く人をジャッジしたり優劣をつけない人で、その人の持ち味を引き出す天才だなぁと思っているので、そんな風に演出してもらえるのは贅沢だしとってもありがたいです。
―福岡、九州の方々にメッセージをお願いします。
はじめまして。そしてお久しぶりです。田崎小春です。
世の中が大きく動いている今、どうやって生きていくか生きていきたいのかを考えず見ないふりをする方が難しくなってきています。生きるってどういうことでしょう。私は今演劇をしています。お金はないし、貯まる見通しもないけれど、演劇には力があると希望を持って続けています。私はこの作品と出会い、生きることの側に演劇があってよかったと思いました。
どうか観に来てください。出会いに来てよかったと思ってもらえるよう頑張ります。
出演は、田崎小春。
チケットは前売2,300円(当日2,600円)。カルテットオンラインでの取り扱い。
お問い合わせはkoha.gambler@gmail.com、090-7164-8807(はしもと)まで。
田崎小春が福岡に帰省してひとり芝居をする会『ギャンブラーのための終活入門』
戯曲:ガリー・マクネア
翻訳:小畑克典
演出:田野邦彦(RoMT/青年団)
日時:2019年8月16日(金)14:00/19:00
17日(土)13:00/18:00
18日(日)11:00/16:00
会場:konya-gallery(福岡市中央区大名1-14-28 第一松村ビル2)
料金:前売2,300円(当日2,600円)
【関連サイト】
konya-gallery
田崎小春(Twitter)
※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。