飛ぶ劇場、銀河鉄道史上初の自宅上演!
飛ぶ劇場(北九州)が『Q稿、銀河鉄道の夜』(原作:宮沢賢治、作・演出:泊篤志)を10月5日(土)~6日(日)、行橋市大字高瀬の自宅劇場「守田ん家。」で上演する。
上演10年を迎える飛ぶ劇場の『Q稿、銀河鉄道の夜』が沖縄での公演を終え、10月に自宅劇場「守田ん家。」での行橋公演を行う。2009年の札幌での初演以降、各地を巡演したメンバーやゲスト出演者に、これまでのことや行橋公演に向けての意気込みを聞いた。
―8月に終えた沖縄公演の感想を聞かせてください。
泊篤志 沖縄って、ネットが発達したこのご時世でもイマイチ“日本”の情報が行き渡ってないみたいなんですよね。大手新聞社のシェアが数%とかだし。だからというわけでもないんだけど、飛ぶ劇場についての予備知識も無くって、まっさらな状態で観に来てくれたなぁと。お客さんが会場に入って来て、参加席と一般席どっちにします? って聞かれて「え?」みたいな。けっこうみんな戸惑ってて。
葉山太司 そうそう。いろんなところで公演してきたけど、参加席が埋まるのがいちばん遅かった気がする。南の国の人達だしめっちゃノリがいいんじゃないかと思ってました。勝手なイメージで。でも意外と沖縄の方はシャイだったなぁと。後で聞いたけど、沖縄の人はお酒飲まないとシャイな人が多いらしい。
泊 そんな新鮮な空気感の中でやれたのが凄く興奮しましたね。終演後、家に帰って泡盛を持ってきてくれた近所のオバアとかいたり嬉しい出会いもあって。
葉山 始まってみるとお客さんみんな楽しそうで、グッと歩み寄ってくれるというか、まるで今まで一緒に稽古してきたかのような妙な一体感がありました。ちゃんと物語に入ってくれてる気がしてやりやすかったですね。めっちゃ楽しかったし暑かった。今度行くときはもうちょっと涼しい時に行きたいかな(笑)。
脇内圭介 個人的には『銀鉄』初出演で初本番が沖縄でした。歴代のキャストのみなさんが積み上げて来たものへのプレッシャーを勝手に感じてて、客入れ中は緊張しましたが、始まってしまえば沖縄のお客様もみなさん感じがよくて、とても楽しくお芝居できたと思います。そして、銘苅ベース、とても良い劇場でした!
―次は自宅劇場「守田ん家。」での公演です。行橋公演への意気込みを聞かせてください。
文目卓弥 とにかくお客様に楽しんでもらえるようやりたいです。自宅劇場は観劇で何度も訪れているのですが、あの実家のような安心感がある劇場はここくらいではないかと思います。客席との距離がとても近いので、日頃の飛ぶ劇場にはない楽しみ方をしていただけると思います。居間空間が教室に見え、客車に見え、銀河に見えるよう、楽しみながらお客様と旅に出たいと思います。やるぞーーー!!
―ゲストのお二人はいかがですか?
松下龍太朗 今回2年半ぶり、久しぶりに舞台に立ちます。その久々の舞台が飛ぶ劇場……。恐れ多いですが、『銀鉄』にうまく溶け込めるよう頑張ります!
平林拓也 みなさまとは知った仲だと思っているので、なるべく気負いせず普段通りの自分で自宅劇場、銀河鉄道に存在できるように心掛けたいと思います!
―所属する演劇関係いすと校舎のホーム劇場で、飛ぶ劇場へのゲスト出演となりますが、どういう心境ですか?
平林 自宅劇場で、飛ぶ劇場の“銀河鉄道”がどの様になるのか気になります。自分の劇団、いすと校舎では普段「家」の中の芝居をやってますから。それがもう「鉄道」の中、はたまた「銀河鉄道」の中?!ですからね。非常に楽しみです。でも、ゲスト出演なんて初めてですから緊張もしてます!
松下 やっぱり今回楽しみなのは、僕の所属するいすと校舎の自宅劇場で、尊敬する飛ぶ劇の先輩方がどんな面白いことをやってくれるのかなってところです。今のところ、全く想像ができません。あんな狭いところでやるんかい!! と正直思いますが。とにもかくにも、久しぶりに舞台に立てること。飛ぶ劇に出れること。飛ぶ劇が自宅劇場を使ってくれること。ブルブルしながらも、とても楽しみです!
―初演から10年目の作品ということですが、これまでを振り返って印象に残る事を教えてください。
泊 やっぱり初演立ち上げの時かなぁ。稽古の途中でパーカッションのAjiさんが俳優らに「みんな、もっと自分の音を聞いて欲しい。自分の太鼓はBGMじゃないんだ」って言いだして、みんな「そうやん!」ってなったときがあって。その後の稽古からグルーブ感みたいなのが全然違ってきたし。エキサイティングな初演の立ち上げだったなぁ、と。
Aji 実はあの一言、結構勇気出して言ったんですよー(笑)。僕にとって舞台に存在するみんなは、ダンサーや歌うたいと一緒で。お互いに刺激し合いたかったんです。いや、今思うと言ってよかったですねぇ(笑)。あと私生活ではこの10年で、おふくろを亡くして娘を授かったことですね。二人にとって自慢の息子、自慢の父親になるべく精進してます。
木村健二 10年前まずやった小説の「銀河鉄道の夜」の読み合わせ。みんな各自で文庫本買って来て読んでみたら、出版社で内容が全然違って「なんだこれ?」から始まった銀河鉄道の夜。小説の解釈を共有するところから始まったので思い入れの強い作品です。キャストが変わるたび、みんな新しい物を持ち込んでくれるので、今は出てない人たちの気配みたいなものも実はちゃんと残ってて、あーそういう意味でも旅の中にあるんだなーと。
中川裕可里 親子で観に来てくれたお客さんで、お母さんが一般席、小学校低学年くらいの娘ちゃんが参加席、と別々に座って観てくれていて。劇中、車掌さんが「切符を拝見します」と言って参加席に来るシーンで、「私の切符(公演チケットのこと)お母さんが持ってる!」と気付いた娘ちゃんが、慌てて舞台を横断してお母さんのところへ切符を取りに行ってくれたんです(笑)。素直な可愛らしい反応ですごく印象に残ってます。再演を重ねても飽きずに楽しめるのは、こうやってお客さんと創っていくからかなと思います。
―最後にmola!をチェックしている方へメッセージをお願いします!
平林 演劇関係いすと校舎の平林拓也と申します!! 最近は観劇もせずジムへ行き筋トレを日々やっております。そもそも体動かすのなんて嫌いな人種なんですけど、現在激ハマりしております! なのでちょっぴりついた肩の三角筋、胸の大胸筋、腕から覗く二頭筋など銀河鉄道に乗られた際はそこらへんを是非確認しに来て下さい!
泊 これまでの上演は何だかんだ全部「劇場」でやってるんですよね。で、今回は「守田ん家」でしょ。自宅劇場って言ってるけど、ほぼ家ですから。家の中での上演とか初めてなんで、もう何が何やらって感じをね、「銀河鉄道史上初の自宅上演!」という歴史の転換点を楽しんでもらえると嬉しいですね。
脇内 よくmola!を拝見してますが、記事によってカラーが結構違ったりするので見ていて面白いですよね。僕はmola!の人ではないですが、これからもチェックしてください、お願いします。
出演は、木村健二、葉山太司、中川裕可里、脇内圭介、文目卓弥。演奏、Aji。ゲスト出演は、平林拓也(演劇関係いすと校舎)、松下龍太朗(演劇関係いすと校舎)。
チケットは一般前売2,500円(当日3,000円)、学生1,500円、親子ペア1,500円。カルテットオンラインでの取り扱い。
お問い合わせはgintetsu@kitaya505.com、080-1710-2887(合同会社kitaya505)まで。
飛ぶ劇場『Q稿、銀河鉄道の夜』
原作:宮沢賢治
作・演出:泊篤志
日時:2019年10月5日(土)14:00★/19:00◇
6日(日)12:00◇/16:00★
★平林拓也(演劇関係いすと校舎)◇松下龍太朗(演劇関係いすと校舎)
会場:自宅劇場「守田ん家。」(行橋市大字高瀬295)
料金:一般2,500円(当日3,000円)
学生1,500円
親子ペア1,500円
【関連サイト】
飛ぶ劇場
飛ぶ劇場情報局
飛ぶ劇場(Twitter)
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