Mr.daydreamerがオスカー・ワイルド『サロメ』に挑む!
Mr.daydreamer(福岡)が#4『サロメ』(原作:オスカー・ワイルド、演出・潤色:上野隆樹)を11月2日(土)〜4日(月・祝)、福岡市博多区築港本町の湾岸劇場 博多扇貝で上演する。
今宵の王女サロメの、なんと美しいことか。
王城の人々は口々に噂をながし、若いシリア人はひたすらにサロメを眺める。
預言者は理解の出来ない、恐ろしい言葉を口にしている。
王ヘロデが血に滑った。妃ヘロディアは預言者を忌み嫌い、近親相姦の罪を償わない。
サロメは白い月を眺め、その姿に無垢な少女を重ねる。
月は不気味に光り、血のような赤に染められていく。
王城の中はそれぞれの欲望で満たされ、サロメは妖艶に踊る。
やがてお姫様は囁きかける。
「私、お前の口唇に、キスするわ。」
……今宵のサロメは、美しい。
2016年、大学卒業を間近に控えた主宰・雨宮倫子が一度きりのユニットとして立ち上げ、2017年の再結成後、コンスタントに活動を続けているMr.daydreamer。2018〜2019年の福岡学生演劇祭において2年連続の大賞を受賞し、来年2月には第5回全国学生演劇祭の出場も予定されている。
そんなMr.daydreamerが次に挑むのは、オスカー・ワイルドの名作戯曲『サロメ』。新約聖書の物語に脚色を加えた本作に、人間の欲望や歪みを美しく描いてきたMr.daydreamerがどう取り組むのか。主宰の雨宮倫子からコメントが届いた。
今回上演する『サロメ』は、近代の作家であるオスカー・ワイルドによって書かれた作品です。
サロメの物語そのものは聖書に登場するので、多くの方は古典作品だと思っているかもしれません。ですが、近代の改革や革命によって「自由」の概念が登場したと言われ、そのせいで「私って何者?」という現代にも通じる問いが出てきた時代でもあります。ワイルドの戯曲は原典のサロメを踏襲しながらも、今を生きる私達にも共通した感覚や悩みを内包させた作品でもあります。遠い世界の出来事のようで、凄く身近なお話でもある今作は、多くの方に楽しんでいただけるものと思います。また、福岡で活躍する若手女優さんの中でも、とても魅力的で実力派の女優さんに集まっていただけました。『サロメ』という男女混合の作品を、あえて女性だけでやることには大きな意味があります。それはこの作品が決して「サロメの情欲と破滅」をテーマにした悲劇ではなく、もっと多くの人に共通したとある種類の苦しみをテーマにしているということを浮き彫りにする目的もありますが、もう一つ、オスカー・ワイルドという作家その人が戯曲に隠したとある要素を暴き出すためでもあります。それが一体何なのか、見ていただければきっとお分かりいただけるかと思います。
最後にもう一つだけ。“芸術”と“エンターテインメント”の二つの要素を含む演劇という表現ですが、今回は芸術としての側面にスポットライトを当てています。芸術としての演劇の定義がいくつもあるなかで、今作はニーチェ美学に基づいて創作しています。エンタメとしての演劇とは一味違う空間と時間を、ぜひ劇場で体験してみてください!
出演は、池田千春(Yb)、沢見さわ、ちる(フリー)、藤田恵佳(演劇ユニットそめごころ)、八尋香菜(空間再生事業 劇団GIGA)、山田愛夏(フリー)。
チケットは、1,200円(当日1,500円)、高校生以下1,000円、ペア割2,000円(前売のみ)。予約フォームでの取り扱い。
お問い合わせはmr000daydreamer@gmail.comまで。
Mr.daydreamer #4『サロメ』
原作:オスカー・ワイルド
演出・潤色:上野隆樹
日時:2019年11月2日(土)14:00/19:00
3日(日)14:00/19:00
4日(月・祝)14:00/19:00
会場:湾岸劇場 博多扇貝(福岡市博多区築港本町2-21)
料金:1,200円(当日1,500円)
高校生以下1,000円
ペア割2,000円(前売のみ)
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