ひ=日髙啓介、な=永山智行、た=多田香織が旅に出る、ひなた旅行舎
ひなた旅行舎(宮崎/東京)が第1回公演『蝶のやうな私の郷愁』(作:松田正隆、演出:永山智行)を4月11日(土)~12日(日)に北諸県郡三股町大字樺山の三股町立文化会館で、6月5日(金)~6日(土)に津市一身田上津部田の三重県文化会館 小ホールで上演する。
出会ってしまったわたしたちの、永い旅の物語。
台風が近づくある夕方、そのアパートでは、男と女がいつもの暮らしを、いつまでも続けていた。雨が降り、風が吹き、二人はやがて何を見つけるのだろうか……
わたしたちは帰るべき場所を後にして、ひそやかにその相手と出会い、濃密な時間を過すだろう。そうして、ひなた旅行舎のはじめての旅がはじまる。
KAKUTAの多田香織、FUKAIPRODUCE羽衣の日髙啓介、劇団こふく劇場の永山智行によって結成された演劇ユニット、ひなた旅行舎。団体名はそれぞれの名前の頭文字の「ひなた」に、戯曲をガイドブックとして作品世界を旅する上演者たちの居場所という意味を込めて「旅行舎」を合わせた。それぞれが所属する劇団とは違うアプローチで創作を行うという。今回の上演作品は、松田正隆の『蝶のやうな私の郷愁』。本公演についてひなた旅行舎のメンバーに聞いた。
ーひなた旅行舎はどのような団体ですか?
多田 「いつか、また一緒に創作したい」と思っていたお二人に、機会を待つのではなく、そうか自分で企画したらいいのか…! と声をかけました。思いがけず「企画するところから一緒にやるよ」と言ってくださって誕生したのが「ひなた旅行舎」です。それぞれ所属している劇団〈ホーム〉があって、そんなバラバラの3人がホームと1つ違う場所を持つ、というのも面白いし可能性も広がるなあと思っています。永山さんと合流して、ニコニコと難しい挑戦を投げかけられて今は必死です! 創作していく中で、3人の魅力が融け合い、ホームでも東京でも生み出せない「ひなた旅行舎」だからできるものがあるんじゃないかと、今は確信してします。
ー上演作品『蝶のやうな私の郷愁』について聞かせてください。
永山 若い頃、いろんな戯曲を読んでは、気に入ったせりふを書きとめるノートを持っていました。どんな戯曲にでもきらりと光る言葉たちがあって、それを戯曲によっては、1つ2つ、または4つ5つと、ノートに記していったわけです。ですが、上演戯曲である松田正隆さんの『海と日傘』を読んだとき、ほんとうに戸惑ってしまいました。これは、どうしよう……、と。そこに書かれたせりふのすべてが、そしてそれはほとんど何気ない言葉であるにもかかわらず、ほんとうに光る言葉たちだったのです。わたしはわたしのノートに、この戯曲一冊をまるごと書き写さなければならないのかと、戸惑ってしまったのです。松田さんの戯曲にはいつも、自然や神や歴史といった大きなものと、ささやかな人の暮らしといった小さなものが、どの瞬間にもともにそこに描かれている独特の絵画的な魅力があるように感じています。
ー最後にmola!をチェックしている方へメッセージをお願いします。
日髙 いま世界は、新たなウィルスの脅威で、未曾有の事態になってます。でもこれは地球が生きている証拠であるとも言えます。生命がこの地球で生きていく以上、様々な災害は避けて通れないことです。その苦難を乗り越えて、生きていく糧を見出すため、人は文化を作ってきました。だから。こんな今だからこそ、われわれは、真剣に演劇と向き合い、舞台を作ります。ひなた旅行舎でこそ作れるお芝居を。出来る限りの対策を講じて、お待ちしてますので、ひなた旅行舎の舞台を観にきてほしいです。
永山 今回上演する『蝶のやうな私の郷愁』は、ほんの短い夫婦のおはなしですが、その作品のどの瞬間にも、そんな魅力が詰まった小さくて大きな作品であるように感じています。
出演は、日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣)、多田香織(KAKUTA)。
チケットは、一般前売2,500円(当日2,800円)、U22割1,500円。宮崎公演は三股町立文化会館、予約フォームでの取り扱い。
三重公演は三重県文化会館WEBチケットサービスエムズネット、予約フォームでの取り扱い。
お問い合わせはひなた旅行舎hinata.ryokosha2019@gmail.com、090-1167-0148(タカハシ)まで。
ひなた旅行舎 第1回公演『蝶のやうな私の郷愁』
作:松田正隆
演出:永山智行(こふく劇場)
料金:一般2,500円(当日2,800円)
U22割1,500円(22歳以下)
【宮崎公演】
日時:2020年4月11日(土)19:00
12日(日)14:00
会場:三股町立文化会館(北諸県郡三股町大字樺山3404-2)
【三重公演】
日時:2020年6月5日(金)19:00
6日(土)14:00
会場:三重県文化会館 小ホール(津市一身田上津部田1234)
【関連サイト】
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