北九州市立美術館の美術×演劇コラボ『画狂老人@北斎』、まもなく上演
北九州市立美術館 ゲキシビジョンvol.3『画狂老人@北斎』(作・演出:泊篤志)が4月30日(土)~4日(水祝)、北九州市戸畑区西鞘ケ谷町の北九州市立美術館本館 アネックス棟レクチャールームで上演される。
『画狂老人@北斎』は、2013年~2017年に「美術×演劇」というコンセプトで北九州市立美術館と北九州芸術劇場が共同製作したシリーズの第3弾にあたる作品。引っ越すこと93回、改名約30回、90歳まで生きた浮世絵師・葛飾北斎と、シルバー人材センターで余生を過ごす老マンガ家がオーバーラップするという内容だ。7年ぶりの再演にあたって、作・演出の泊篤志に聞いた。
―「北九州市立美術館が所有する美術品をモチーフに演劇作品を創作する」というコンセプトですが、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」を選んだのはどうしてですか?
『画狂老人@北斎』は元々の美術館と芸術劇場のシリーズ第3弾として上演されたんですけど、その前年にバスキアの作品【消防士】をテーマにした演劇を上演してまして、その時、美術館分館に北斎展のポスターが貼ってあったんです。「神奈川沖浪裏」の大波がドーンとあしらわれたポスターで、学芸員の方が「これ、北九州市美にもありますよ」って言って、あ、じゃあ、来年は北斎ですね! みたいになってましたね。1年目がフランスの印象派、2年目がアメリカのポップアートと来てたので、次に和モノ、浮世絵ってバランスもいいなと思いました。
―作品の中心に「老マンガ家」を据えようと思ったきっかけを教えてください。
北斎自身、70歳を超えての創作が一番油が乗ってるというか、例えば有名な「富嶽三十六景」シリーズとかを描いてて、老いても老いても今が一番いい! みたいな生き方はいいなと思ったので、老人を主人公にしたいとは思っていました。
浮世絵って当時、日本じゃ大衆文化だったんですけど、フランス印象派の画家たちに衝撃を与えるほどのアート作品だったりして、後の世界のアートシーンに影響を与えてるんですよね。で、今、日本の漫画やアニメが世界でも人気だ…というのを重ね合わせられないかなと思って老マンガ家の話にしました。
―今回の見どころはどんなところですか?
元気な老人たちの生き様を楽しんでください。あと、コスプレだったり登場人物が描いてる漫画絵だったり、もちろん浮世絵だったりが実際劇中に映像として観ることができるので、見た目的にも楽しめると思います。
―最後に一言お願いします。
初演時にいろんなお客さんから「泣けたー」みたいな感想を頂いたんですけど、作ってる側としては、そんな泣ける! とか思って作ってなかったんですよ。でも、老マンガ家の生き様を目の当たりにして、お客さん一人一人が「自分らしく生きる」ってどういうことだろう? と自分に照らし合わせて何かしら思うモノがある、そういう作品になっていると思います。終演後に北斎の浮世絵実物を見て、北斎の人生そのものに想いを馳せて頂けると有難いです。
出演は、立石義江、木村健二(飛ぶ劇場)、宮村耳々、葉山太司(飛ぶ劇場)、有門正太郎(有門正太郎プレゼンツ)。
チケットは500円(コレクション展観覧料含む)。予約フォームでの取り扱い。毎回公演終了後に、学芸員と泊篤志による作品解説を実施。
お問い合わせはkitaya505 080-1710-2887まで。
北九州市立美術館 ゲキシビジョンvol.3『画狂老人@北斎』
作・演出:泊篤志(飛ぶ劇場)
日時:2022年4月30日(土)11:00/14:00
5月1日(日)11:00/14:00
3日(火・祝)11:00/14:00
4日(水・祝)11:00/14:00
※5月2日(月)休演
※公演終了後、学芸員と泊篤志による作品解説を実施
会場:北九州市立美術館本館 アネックス棟レクチャールーム(北九州市戸畑区西鞘ケ谷町21-1)
料金:500円(コレクション展観覧料含む)
【関連サイト】
北九州市立美術館『画狂老人@北斎』公演詳細ページ
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