ブルーエゴナク本番直前対談
10月10日(土)~12日(月・祝)、北九州市八幡東区枝光本町の枝光本町商店街アイアンシアターをはじめとする、枝光本町のまちなかで開催される枝光まちなか芸術祭。この芸術祭に、唯一の地元団体として参加するブルーエゴナク(北九州)。『PL~AY/さいしょのまち』公演を目前に控え、代表の穴迫信一と客演の鈴木晴海(じあまり。)による対談が行われた。
作品について
穴迫 今回の作品でメインどころの鈴木さんと作品の話をしたいなと思いまして。どうですか作品は今のところ。
鈴木 一番最初からなんかぶっとんでるなと思いました。
穴迫 あ、一番最初ってその。
鈴木 台本のはじまりが……。
穴迫 そうですね(笑)。
鈴木 でもそれからはなんか納得できる終わりに近づいて……なるほどなと思いながら読んでました。
穴迫 実はその最初のセリフ、台本書き上げてから書き換えて、ちょっとだけ難解にしました。
鈴木 なるほど。
穴迫 今一応HIPHOP家族劇という風に宣伝で言っておりまして、ラップも沢山してますし。
鈴木 ラップは自分は聞いたことがある程度、RIP SLYMEが好きだったので。
穴迫 なんかやっぱ特殊な歌だなとは僕も改めて思いました。
鈴木 でも言葉をそのままリズムに合わせてストレートに言ってるので、その点は普通の音楽よりも直接伝わってくるんじゃないかな、ってのは今回稽古の間で。
穴迫 あと普通の歌より文字数が多いのもあるかな。
鈴木 たまに関係のない単語とか入ってきたりしますよね?
穴迫 そうそう韻を踏むっていう言葉遊びやリズムに合わせて歌うっていう点で、ちょっと関係ないこととかなんか飛躍した言い方したりもします。
鈴木 なるほど。
枝光まちなが芸術祭について
穴迫 枝光まちなか芸術祭の他の団体さんも結構その音楽的なアプローチでされる団体さんが多いそうなので。
鈴木 1日で3団体とか観たら、流れがあって面白そうだなぁって思います。
穴迫 しかもまぁ北九枠は僕らだけなので。
鈴木 他の団体さんは、東京や仙台からも。
穴迫 折角なので地元の方には観て欲しいですね。
鈴木 観て欲しいですね。
穴迫 はい、野外劇ですねそして。
鈴木 お昼に観に行きましたけどすごく穏やかでした。サンマ焼いてたりとかして。
穴迫 本番は夕方で、お店も17時頃には閉まるので。
鈴木 道路も封鎖してるから、特に車も通らない、殺風景というか。
穴迫 うん、結構殺風景だと思います。そういう商店街のど真ん中で起きるみたいなことで書き始めたので、多分イメージに合うかと。
鈴木 特に私は枝光をよく知っているというか去年も出たりさせてもらってたので、そのおかげで想像しやすかったですね。
穴迫 だいぶ、僕もなんかあの細長さを想像して稽古してますね、聞こえるかな見えるかなとか。
鈴木 そうだね、室内の芝居じゃ。
穴迫 多分足りないんだと思います。
鈴木 頑張ります……!
稽古の印象
穴迫 稽古の印象は?
鈴木 稽古自体は予定が組まれてて、トントントンと進んでる感じはすごく受けてて楽しいなと。
穴迫 はい。
鈴木 ただ私がセリフを覚えるのが苦手。
穴迫 え!?︎ そうなの。
鈴木 今までだってずっとリーディングしかほぼほぼやってきてないから。
穴迫 しかも結構うちなんか間違えれない感じでやってるもんね。
鈴木 確かにそう一言一句、韻を踏んでるっていうのもあるし、少しでも間違えちゃうとなんか意味が変わってきちゃいそうで。
穴迫 ラップ?
鈴木 ラップ以外も、なんかリズムがあるじゃないですか。
穴迫 そうね。
鈴木 でなんか同じ意味合いの言葉でも、ちょっと言いかえるだけでリズムが全然変わってきちゃうから。
穴迫 そうなんですよ、語順とかも結構難しいからね。
鈴木 そう、だからそこが難しいなと思って、でもその分リズムがあって楽しいなというのが印象。
穴迫 そうだよね、だからずっと歌みたいな気持ちでやれるといいですね。逆にやりやすいことありますか?
鈴木 なんだろう、稽古してても笑いが耐えないところはやりやすいなって思いました。
穴迫 なるほどなるほど。
鈴木 もし芝居の中でミスというか、自分が変なことしたとしても、誰かが面白いと思ってくれるだけですごく救われるというか。
穴迫 鈴木さんのお芝居は思いきりがいいですよね。
鈴木 今回、ほぼ初対面の方ばっかりだったから、逆にどうにでもなれって思っちゃう。
穴迫 昨日、大猫座の大塚恵美子さんのワークショップを受けたんだけど、それが「決める!」っていうテーマで、本番は後戻り不可能ですよっていう内容だったんです、頭で考えるよりやってしまおう! みたいな。
鈴木 うん
穴迫 それを受けながら自分の稽古のことを振り返ってたら、鈴木さんの思いきりの良さって多分なかなか難しいことなんですよ。
演出・俳優について
穴迫 演出穴迫はどうですか?
鈴木 思ってたよりかはしっかりしてるなと。
穴迫 どう思ってたの……。
鈴木 なんかチャラチャラしてるのかなと思ってて。
穴迫 チャラチャラしてないでしょ全然。
鈴木 全然してない、ちゃんと予定も組んでてしっかりしてると思って
穴迫 むしろ最近は神経質すぎるかも、でも現場になるべく準備して行くようにはしてます、いや当然の事なんだけど、現場でやりながらっていうタイプの人もいるし、それが悪いわけではもちろんないので。
鈴木 意外と普通だよね(笑)。変なこと言わないしちゃんと演出もつけてくれるし。
穴迫 そこ勘違いされてんだよね。得体が知れない、怖い、って思われてるんですよ。
鈴木 そうそう、今だに若干怖いけどね(笑)。
穴迫 まさよ(大野真代)が今回も演出部で。
鈴木 まさよちゃん居ると本当なごみますね。彼女1人だけ笑ってる時ありますからね、それだけで私救われますもん。
穴迫 そうですね、僕もやりやすいです。僕がぐっと集中する時に、笑って見てくれてる人がいると俳優さんもやりやすいと思うし。
鈴木 何より作品のことが好きですよね。
穴迫 助かっております。では共演者の印象は? 初めての人ばかりですよね。
鈴木 平嶋さん(平嶋恵璃香)以外初めまして。皆すごいんだよ稽古始まって3日目に本外してたからね、私たぶん明日も外せないよ。
穴迫 セリフの量が違うからね、1人だけ。
鈴木 そういう事にしといてくださいね。いや頑張って覚えるけど。
穴迫 でもセリフが無い時間もさ、ぼーっとしてていいわけじゃないですしね。
鈴木 ね、ずっとやってる状態。気を張ってるというか。
穴迫 そういう意味では今回もずっと気が抜けない。
鈴木 常に音聞いてないといけないですからね。
穴迫 今回で言うとさらに野外だしね、色々気を張ってないとね、広さとか。
鈴木 広さっていうか広いどころのはなしじゃない。
穴迫 あの空間でセリフを立てて言うのは、きっと大変だと思います。
鈴木 難しいなやっぱり、頑張るよ。
2012年の旗揚げ以降、精力的に作品を発表し続け、昨年は東京公演も行ったブルーエゴナク。今年は“リスタート”というテーマでの活動らしいが12月には京都での公演も控えており、勢いは留まるところを知らない。
出演は、鈴木晴海(じあまり。)、田崎小春(万能グローブガラパゴスダイナモス)、田原遥海(田原工業高校)、りんご(空中列車)、平嶋恵璃香(ブルーエゴナク)、穴迫信一(ブルーエゴナク)。
チケットは一般2,000円、大学生1,000円、高校生500円。障害をお持ちの方と中学生以下は無料。予約・お問い合わせはmachinaka@otegarugekijou.org、093-616-9890(枝光まちなか芸術祭)まで。
ブルーエゴナク『PL~AY/さいしょのまち』
作・演出:穴迫信一
日程:2015年10月10日(土)19:00
12日(月・祝)16:00
会場:枝光本町商店街アイアンシアター(北九州市八幡東区枝光本町8-26)
料金:一般2,000円
大学生1,000円
高校生500円
障害をお持ちの方・中学生以下無料
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