福岡学生演劇祭:長野哲也・田上光介インタビュー
「福岡学生演劇祭2017」が8月30日(水)〜31日(木)、福岡市早良区百道のももちパレス 大ホール舞台上舞台で行われる。
各学生団体が30分程度の作品を連続上演!
観客投票・審査員投票によって大賞が決定します!
京都で行われる全国学生演劇祭へ出場する団体はどこだ!?
その他、演出賞や俳優賞、観客賞も!
2015年から行われている福岡学生演劇祭。優勝団体は翌年2月に開催される「全国学生演劇祭」に参加できる。3回目となる今年のテーマは「集う」。今年は「囲み舞台」というルールが与えられ、360度どの方向からも観られるという状況で作品を競う。3回目の開催を目前に控え、福岡学生演劇祭実行委員会会長の長野哲也と、制作・広報担当で、自身も劇団純情サイダーとして参加する田上光介に話を訊いた。
ーおふたりは実行委員会のメンバーとして、かなり前から運営に入られているかと思いますが、どういったことをされているのでしょうか?
田上 僕は主に制作の、広報や会計のメンバーのひとりとして動いています。あと、劇団純情サイダーで参加もしています。
長野 僕は学生ではないんですけど、制作協力をしているアートマネージメントセンター福岡(AMCF)から会長として、学生の全体の取りまとめをしています。
ーどのくらいから動き始めるんですか?
長野 2月くらいからですね。まず実行委員を募るんですけど、その時点ではどういうことをやるかもわからない段階なので、3〜4人くらいしか集まらなくて。それから参加団体を募集して、参加団体から1名ずつ、運営協力として実行委員に入ってくださいというお願いをしています。やっぱり運営していると(舞台に)出たくなるひとが多いみたいですね。彼(田上)は去年は出るだけだったんですけど、今年は「運営をしたい」ということで運営に入ってきてくれました。
田上 そうですね。この学生演劇祭は年齢の上限があって、22歳までなんですけど、今年満22歳なので、「出ましょう!」ということで自分の劇団から出ることになりました。去年は学生ユニットで参加してたんですけど、今年は、自分自身も制作をやるので勉強になるかなと思って運営から参加しました。
ー運営として関わってすでに約半年くらい経っていますが、運営のどういうところがおもしろいと感じますか?
田上 人脈が大幅に増えた、いろんなひとに関われるというのが自分にとってすごくおもしろいと感じますね。参加団体のメンバーだけでなく、AMCFの方や、6月に行われたワークショップで講師として来ていただいた劇団うりんこ(名古屋)の平松隆之さん、飛ぶ劇場(北九州)の泊篤志さんにも関わらせていただいて。
長野 広報の企画で、「福岡の劇団に挨拶にまわる」というのをやっていて、学生たちが福岡の若手劇団とつながる、ということもできたんじゃないかなと思います。
ーでは学生演劇祭の中身について伺います。今回で3回目になるこの演劇祭ですが、今年ならではの特徴や目玉を教えてください。
長野 まずは舞台が囲み舞台ということですね。これまではプロセニアム形式、一方に舞台があってもう一方に客席があるという形だったんですけど、それだと表現の自由度が高すぎて、「競う」というのが難しくなるなと感じました。観客投票で1位を決めるんですけど、結果としてコメディ、笑えるものがどうしても強くなってしまって……。なのでひとつ明確な「縛り」があるとよいなと思って。最初は舞台上にあるものを縛ろうかなと思ったんです。ボックスがふたつとかみっつとかあるだけ、とか。それが、実行委員が入ったタイミングで会議をしたときに、「囲み舞台でやってみたい」という意見が出て。舞台上の道具を縛ると、同じ道具を作らないと練習ができないけど、囲み舞台だったら練習もしやすいだろうなと。学生の方でも囲み舞台をやる機会はほとんどなくて、チャレンジしがいのある縛りだなと思って、今年は囲み舞台でいくことになりました。
ー四面囲みなんですね。
長野 そうですね。ただ、とっかかりがないと難しいと思ったので、6月のワークショップで飛ぶ劇場の泊さんをお招きしました。飛ぶ劇場が次回公演の『生態系カズクン』を囲み舞台でやられるということだったので。そこで、囲み舞台の注意点だったりとか、演出の工夫だったりというのをそれぞれの団体に知ってもらいました。
田上 僕は出る側としては脚本・演出も担当しているんですが、日々の練習で試行錯誤してて、いますごく苦戦してます……。8月に入ってラストスパートの時期なんですけど。
長野 投票の際に、「この方向からは楽しめたけど、こっちの方向からはよく見えなかった」みたいなことで、票がバラける可能性もあるかもしれませんね。
ー「囲みだからこそのコメディ」を作ってきた団体があったら、めちゃくちゃ強いのでは……。
田上 そうですね(笑)。
長野 (笑)ただそこは、囲みだからこその工夫がされていれば、演出方法も「苦心してきている」ということだと思うので、そういうところでしっかり評価がされるんじゃないかなと思います。
ーでは最後に一言、本番に向けてのコメントをお願いします。
田上 僕ら自身のクオリティは稽古場で把握できるんですけど、他の団体がどういう風に囲み舞台を見せてくるのかを考えると、すごく緊張します。「どうやったら勝てるかな」って(笑)。気になりますね。ちょっと恐いなという恐怖感と、もっとがんばらないとなという向上心を持って、本番までがんばりたいと思います。
長野 僕は若い演劇人、若い子たちの力・発想力というのをすごく信じていて、必ずおもしろいものを作ってきてくれると思っています。今回制約があるからこそ、制約に対して頭を働かせてくれるというのは、いまの子たちは得意だと思っているので。先ほどのワークショップでも、すごく柔軟な発想で、おもしろいものが出てきたんです。若いひとたちの力を、ぜひみなさんに観に来てほしいと思っています。当然、できていないところもあると思いますが、そこは忌憚のない目で評価していただいて、その評価が若いひとたちの原動力になっていけばと思っています。
出演団体は、Aブロックががらくた宝物殿、砂漠の黒ネコ企画、知らず知らずの会、チームドリーム。Bブロックが大分大学文化会演劇部、ジャカっと雀、劇団純情サイダーfeat.ふらすこ、ばってん。審査員に和田喜夫(日本演出家協会理事長)、泊篤志(飛ぶ劇場)、福田修志(F’s Company)。
チケットはブロック券が前売1,000円(当日1,500円)、高校生500円(前売当日共通)。通し券が前売のみで1,500円。県外割として500円の割引チケットも。ももち文化センター092-851-4511(9:00~18:00)、予約フォームでの取り扱い。
お問い合わせはfukuoka.gakusei.engekisai@gmail.com、080-1737-4945(長野)まで。
「福岡学生演劇祭2017」
日時:2017年8月30日(水)14:00(A)※/18:00(B)
31日(木)11:00(B)※/15:00(A)
※アフタートークあり
会場:ももちパレス 大ホール舞台上舞台(福岡市早良区百道2−3−15)
料金:ブロック券 前売1,000円(当日1,500円)
ブロック券 高校生500円(前売当日共通)
通し券1,500円(前売のみ)
県外割500円
【関連サイト】
福岡学生演劇祭
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