諫早独楽劇場が福島三部作上映会&トークライブを無料開催

2022.09.25

諫早独楽劇場(諫早)が10周年企画としてDULL-COLORED POP『福島三部作』(作・演出:谷賢一)の舞台映像の一挙上映とトークライブを10月9日(日)、諫早市八天町の諫早独楽劇場で開催する。

諫早独楽劇場10周年企画「福島三部作上映会&トークライブ」

私の母は福島の生まれで、父は原発で働いた技術者だった。私自身も幼少期を福島で過ごし、あの豊かな自然とのどかな町並みが原風景となっている。
原発事故はなぜ起きてしまったのか? 政治・経済・地域の問題が複雑に絡まり合い、簡単に答えが出せない問題だ。しかし、だからこそ演劇でなら語れるのではないかと思った。異なる意見を持つ者たちが出会い、言葉を戦わせ合うのが演劇だ。答えを示すことよりも、問いを強く投げかけるのが演劇だ。演劇でなら語れる、「なぜあの事故は起きてしまったのか?」2年半に渡る取材成果を三部作・三世代の家族の話として紡ぎ直し、人間のドラマとして福島と原発の歴史を問い直したい。(谷賢一)

諫早独楽劇場10周年企画「福島三部作上映会&トークライブ」 諫早独楽劇場10周年企画「福島三部作上映会&トークライブ」

第一部『1961年:夜に昇る太陽』

1961年。東京の大学に通う青年・<穂積 孝>は故郷である福島県双葉町へ帰ろうとしていた。「もう町へは帰らない」と告げるために。北へ向かう汽車の中で孝は謎の「先生」と出会う。「日本はこれからどんどん良くなる」、そう語る先生の言葉に孝は共感するが、家族は誰も孝の考えを理解してくれない。そんな中、彼ら一家の知らぬ背景で、町には大きなうねりが押し寄せていた……。
福島県双葉町の住民たちが原発誘致を決定するまでの数日間を、史実に基づき圧倒的なディテールで描き出したシリーズ第一弾。

第二部『1986年:メビウスの輪』

福島第一原発が建設・稼働し、15年が経過した1985年の双葉町。公金の不正支出が問題となり、20年以上に渡って町長を務めてきた田中が電撃辞任した。かつて原発反対派のリーダーとして活動したために議席を失った<穂積 忠>(孝の弟)は、政界から引退しひっそりと暮らしていたが、ある晩、彼の下に2人の男が現れ、説得を始める。「町長選挙に出馬してくれないか、ただし『原発賛成派』として……」。そして1986年、チェルノブイリでは人類未曾有の原発事故が起きようとしていた。
実在した町長・岩本忠夫氏の人生に取材し、原発立地自治体の抱える苦悩と歪んだ欲望を克明に描き出すシリーズ第二弾。

第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

2011年3月11日、東北全体を襲った震災は巨大津波を引き起こし、福島原発をメルトダウンに追い込んだ。その年末、<孝>と<忠>の弟にあたる<穂積 真>は、地元テレビ局の報道局長として特番製作を指揮していたが、各市町村ごとに全く異なる震災の悲鳴が舞い込み続け、現場には混乱が生じていた。真実を伝えることがマスコミの使命か? ならば今、伝えるべき真実とは一体何か? 被災者の数だけ存在する「真実」を前に、特番スタッフの間で意見が衝突する。そして真は、ある重大な決断を下す……。
2年半に渡る取材の中で聞き取った数多の「語られたがる言葉たち」を紡ぎ合わせ、震災の真実を問うシリーズ最終章。

谷賢一からコメントが届いた。

今もこのコメントを福島で書いています。故郷に帰れない人たちにとって震災はまだ続いています。なぜ福島はこんな運命を辿ったのか解き明かす三部作です。

諫早独楽劇場10周年企画「福島三部作上映会&トークライブ」

トークライブの出演は、第一部に谷賢一×荒木宏志(劇団ヒロシ軍座長)・渡邉享介(エヌケースリードリームプロ代表)、第二部に谷賢一×森馨由(劇作家・劇団HIT!STAGE代表)、第三部に谷賢一×松岡優子(yum yum cheese!俳優・Sulcambas!制作・SARCK代表・国境なき劇団メンバー)。

入場無料(要予約)。予約フォームでの取り扱い。

お問い合わせはkoma.isahaya@gmail.com、090-2079-9093(寺井)まで。

また、関連企画として10月6日(木)に福岡、10月10日(月)に諫早で演劇ワークショップも開催する。福岡では「俳優のための演劇ワークショップ」(主催:モノクロラセン)、諫早では「俳優と演出者のための演劇ワークショップ」と題して、それぞれ異なる内容のワークショップが行われる。

参加費は3,000円。予約・お問い合わせは【福岡】予約フォームmonochrorasen@gmail.com、090-9065-4409(村井) 、【諫早】予約フォームまで。


諫早独楽劇場10周年企画「福島三部作上映会&トークライブ」

日時:2022年10月9日(日)第一部10:00/第二部14:30/第三部19:00
会場:諫早独楽劇場(諫早市八天町15-4 KGビル2F)
料金:無料
上映時間:150分

関連企画「谷賢一による演劇ワークショップ」

【福岡】「俳優のための演劇ワークショップ」
日時:2022年10月6日(木)18:30~21:30
会場:ぽんプラザホール(福岡市博多区祇園町8-3 4F)
定員:15名
参加費:3,000円

【諫早】「俳優と演出者のための演劇ワークショップ」
日時:2022年10月10日(月・祝)13:00~17:00
会場:諫早独楽劇場(諫早市八天町15-4 KGビル2F)
定員:10名(俳優8名・演出2名)
参加費:3,000円

【関連サイト】
諫早独楽劇場
モノクロラセン(Twitter)

※情報は変わる場合がございます。正式な情報は公式サイトでご確認ください。

Social Share